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バラ色のインドシナ市場?

毎日新聞朝刊1面のコラム「余録」で、ホーチミン市にイオンの巨大モールがオープンした話を枕に、かつての戦争の惨禍を乗り越えて成長著しいベトナムやカンボジアの経済について書いている(今朝の朝日にはインドシナ関連ではないがイオンの会長の大きなインタビュー記事が載っていた。偶然と考えていいのか、それともイオンのマスコミへの働きかけがあったと見るべきか)。
余録の前文は
http://mainichi.jp/opinion/news/20140113k0000m070103000c.html

この種の「今、躍動するベトナム(インドシナ)」という記事が1990年代以来、いったい何度マスコミを賑わしたことだろうか。そんなに何度も躍動したら、今ごろベトナムはずいぶん発展した国になっていただろう。これははっきり言って、マスコミの不勉強である。

中国やインドの膨張、開発援助の焦点の東南アジアからアフリカへの移行などに対して、「答案アジアを忘れるな」という意図もあるのかもしれないが、それにしても中国関係だったらもう少し掘り下げがあるだろう。東南アジア報道はいつまでたっても、こういう「今こそ発展」イメージと「やっぱり不安定、政情不安」などのイメージを行ったり来たりする段階から抜け出ようとしない

実際のベトナムは、たしかにコーヒーやコショウの輸出が世界一になるなど、開発に驀進している。ハングリー精神にあふれた若者は多い(写真はハノイの大通りの活況)。
DSC_8427.jpg DSC_8428.jpg

だがその一方で、たとえば日本との友好を官民あげて大事にしているわりに、日本語や日本理解の水準はまだ低い。中国の大都市より深刻とされる都市の大気汚染、無謀な原発建設計画などの深刻な問題もある。そして、中国ほどの経済成長の果実も享受しないうちに、急速な少子化が進行している。開発を急ぐ政府や役人は、韓国でおこったベトナム戦争中の韓国軍の行動を反省し真の歴史和解を目ざす取り組みがベトナムの現地に及ぶのを邪魔したり、外国に出稼ぎに行った低賃金労働者(名目は技能実習生など)に対する日本など渡航先での搾取と人権侵害にも目をつぶる。。。
お隣のカンボジアでは、進出企業に対する労働者のストライキに、企業側の依頼で出動した軍が発砲して死者を出すとかいうとんでもない事件もおこっている。
かつての開発独裁諸国でも、現在でも他の開発途上国で、どこでもおこっている問題から、ベトナムもカンボジアも無縁ではない。その向こうのタイも、政治対立でしっちゃかめっちゃかになっている。

もちろん、だからこういう国はだめだ、国民性に問題がある、などと言いたいのではない。むしろ指弾するとすれば、ここまでして開発に驀進しなければいけない状況にベトナムやカンボジアを追い込んでいる「世界経済」や「グローバル化」を指弾すべきだ。
そのうえで、日本はこういう国々とも大事に、百年先を考えたつきあいをしなければいけない。そのために、もっと理解の質を上げろ、そのための勉強や投資をしろ、毎度書いているが、やっぱり結論はそこに行かざるをえない。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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