ベトナムの国宝指定リストと金石文の収集

ベトナム文化財の国宝指定のリスト(第二次指定とある)
http://vnexpress.net/tin-tuc/thoi-su/cong-nhan-37-bao-vat-quoc-gia-2930829-p2.html
年末に発表されたものである。

今回の旅行で見た李朝の保寧崇福寺碑(ハーザン省チエムホア県。リスト8番)、陳朝の崇慶寺碑(ハーザン省ヴィスエン県。リスト10番)、同じく平林寺鐘(同県、リスト12番)がいずれも指定されているので、なんとなくうれしくなった。
保寧崇福寺碑の新しい碑屋
DSC_7479新しい碑屋
崇慶寺碑(左側の碑文)
DSC_7647b左が陳朝碑で右が永盛碑
平林寺鐘
DSC_7900b.jpg

ほかにハーナム省の崇善延齢塔碑(李朝。リスト9番)も入っているし、昨夏にバクニン省博物館に見に行った隋代の舎利塔銘(601年。リスト7番)も指定されている。

ところで、碑文を見たら写真を撮る。かつて拓本を取る道具をもっていったこともあるが、ハンノム院や地元の博物館がたいてい拓本を取っているし、最近のデジカメは碑面を区切って写せば、拓本で読める字はたいてい読めるので、怠慢をきめこんで拓本の道具はこのごろ持って行かない。
ただ既存の拓本や、刊行された碑文集などとの対照は不可欠である。今回の2つの碑文は、碑文集に活字で起こされたもののコピーを持参して、院生・学生と手分けして碑面を区切り、対照作業をその場でおこなったが、けっこう違う字があった。平林寺鐘はこれまでの碑文集などで紹介されておらず、ハンノム院に拓本があるかどうかこれから調べねばならない。
なお、碑文は摩滅や破損で読めないことが当然ある。水で濡らしたりチョークを塗って読みやすくする方法をベトナム人がよくやるが、それでも読めないものは読めない。光線の当たり方も大事で、最初全然読めなかったものが、光の向きによって忽然と読めることがある。
どうしても読めないものは仕方がないのだが、ほかに困るのは、大きな碑文が寺院などの建築物の壁際に置かれていて裏面が読めないようなケースである。
置いてあるだけなら、お願いして裏面が見えるように動かしてもらうこともあるが、なかには壁に塗り込められたものもあり、涙をのむしかない。壁との間にわずかな隙間しかなく、身をよじって見たり撮影しようと悪戦苦闘することもある。もっとカネがあれば、そういうところを撮影できる便利な道具なども持って行けるのだが。
また、肉眼ではっきり読めるが位置やもっている道具とわれわれの撮影技術、明るさなどの関係でうまく写真撮影(や拓本作り)ができないような碑文というのもまれにある。そういう場合はとりあえず、碑文の前でひたすら筆写する。大きいものだと1時間も2時間もかかる。

金石文の収集も楽ではない。それをうれしそうにやっていると、人間の研究をする人々から変態視される。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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