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政府与党の国語力

特定秘密保護法案の法案全文が今朝の毎日新聞に出ていて、参考になる。
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この間問題になっているテロリズムの定義(第12条2項)には、
「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」とある。

以前から法律の文章の句読点には疑問をもっていたが、これもおかしい。

国会で政府が答弁しているこの条文の意味は、
1.「政治上その他の主義主張に基づ○○する活動をいう」が全体の構造
2.活動の目的は、(1)「国家若しくは他人にこれ(主義主張)を強要するか、(2)社会に不安もしくは恐怖を与えるの2つ
3.その目的を実現する手段は、(1)人を殺傷するか、(2)重要な施設その他を破壊する
となる。

しかし原文は、「殺傷し」の目的が「社会に不安もしくは恐怖を与える」だけに見える。そうすると、「重要な施設その他を破壊する」行動は、目的がなんでもあってもテロと規定できることになるし、冒頭の「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し」がテロリズムの3つの形態の一つということになりかねない。

そういう中身を言うために、私なら最低でも、
「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で、人を殺傷し又は重要な施設その他の者を破壊するための活動をいう」
と読点の位置を変える。

これを「法律文を知っていればありえない解釈」と一笑に付すのは、そういう官僚や法律家の側が悪い。
専門家といっても、一般にわからない文法、言語学的におかしい文法を平気で使う権利はないだろう。 作家が言葉の実験をするのとはわけがちがう。
歴史や社会科の教育界に、今日の事態を招いた一定の責任ありとすれば、国語教育界にも責任があるだろう。

これを含め、国会議員や高級官僚には、歴史を学べとかなんとかいう以前に、基礎的な国語力や論理的思考能力に関するテストを義務づけたい気がするのは、学者の私だけだろうか。

後世、「リーダーたちの学力低下の末に、2013年12月6日に日本の民主主義は滅びた」なんて言われるのはいやだね。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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