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シンガポールにおける日本占領期の記憶

来週水曜日夕方、阪大文学研究科で講演会

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日本カンボジア研究会のお知らせ

先日石澤良昭先生がTVに出たが、ポルポト政権期に深刻な断絶を経験したカンボジア研究も、ずいぶん広がってきたのだろう。

第12回日本カンボジア研究会のプログラムをお知らせします。本会は、カンボジアに関心をもつ有志が組織する研究会です。今年は、以下の要領でおこないます。カンボジアに関わる話題を広く取り上げて議論する得がたい機会として、皆さまのご参加をお待ちしています。事前の参加登録は必要ありません。また、転送・拡散を大歓迎いたします。

※発表要旨については、近日中に以下のURLにアップロードします。
http://cambodianstudies.blogspot.jp

<日時と場所>

6月30日(土)および7月1日(日)
京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(両日とも)
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/

<プログラム>

6月30日(土)

13:00 開場

14:00-14:15 趣旨説明 小林知(京都大学)

14:15-14:55 発表(1)

小林知(京都大学)、イム・ソックリティー(アプサラオーソリティ)
「アンコール遺跡地域の景観変容に関する予備的研究 ―航空写真を使った国際化時代の資料共有化の試み―」

14:55-15:45 発表(2)

東佳史(立命館大学)
「「カンボジアの春」あるいは「フェイク・デモクラシー」 ―2018年カンボジア総選挙に向けた報告―」

15:45-16:00 休憩 

16:00-16:40 発表(3)

藤本穣彦(静岡大学)
「プレック・トノット川流域システム ―社会技術論からのアプローチ―」


16:40-17:20 発表(4)

友次晋介(広島大学)
「プレック・トノットダム計画と日本主導の開発援助 ―カンボジアをめぐる冷戦・開発・メコン川流域諸国間関係―」

17:20-17:40 総合討論

18:00- 懇親会


7月1日(日)

9:30 開場

10:00-10:40 発表(5)

中野惟文(東北大学大学院)
「カンボジアの伝統医療師の治療 ―タケオ州の事例から―」

10:40-11:30 発表(6)

武田龍樹(京都大学大学院)
「カンボジア北西部村落部における内戦の残存物 ―記憶へのひとつの人類学的接近法―」

11:30-12:10 (7)

由比邦子(桃山学院大学・非常勤講師)
「アンコール浮彫の弓形ハープ図像をめぐって」

以上

土曜日の阪大歴教研例会

遅ればせながら土曜日の阪大歴教研月例会の件。日本西洋史学会や国際東方学者会議など重なりまくりで参加者が少なかったのがとても残念な内容。

報告1はDCの猪原君の阪大東洋史名物「合同演習」とそこでSDC院生が学部生向けに行う「入門講座」の紹介。史学会125周年記念シンポの出版(『教育が開く新しい歴史学』)でも紹介したが、通常の大学史学系ではゼミや研究会で断片的に聞きかじったものを自分の頭の中でだんだん系統化していく(それが今やできなくなっているのだが)のに任されている「東洋史学の成り立ちと現在」「漢籍とは何か」「工具書の種類と使い方」などを、院生に講義させるところにミソがある(中国史だけでは許さないなど内容が多様化しているため、担当者は力点の置き方を変えて違ったレジュメを作れる。受講学部生は3年でだいたい網羅的な内容が聞ければいい、という考え)。「阪大の」を強調するとまた羽田正さんに怒られそうだが、初めて聞いた方は「ここまでやっているのか」と驚かれたろう。日本史のI塚先生が「それだけ東洋史は危機感が強いのだろう」と言われた通りである。若手研究者に(自分のオリジナルな研究と合わせて)こういう講義がきちんとできるぐらいでないと、今日の「歴史学など役に立たない攻撃」の主要部分は撃破できないのだ。

後半は佐藤正幸先生の西洋史学に書かれた原稿などを下敷きにした講演。近代日本における西洋学術概念に対する訳語の創出とその特徴(例:「西暦」とはなんたる言葉か)、それが可能にした「日本語で大学教育が当たり前に受けられる状況」(今でも世界中で当たり前ではない)、日本の歴史学の特徴(歴史学部がないことなど)、ご自分がオンリーワンとして道を開き世界で活躍してこられた経験など、いつ聞いても面白くて院生をencourageする内容だった。

討論では漢字文化の衰退(東アジア共通)と東洋史学の今後、グローバルヒストリーの一方で中文・中哲などとの協力は遅れていないか、など色々な話題が出た。

さて、それで今日の報告でも露呈したが、第二次大戦後現在までの歴史学と東洋史学の動向のまとめがなかなかうまくできないのは、高校の先生が現代史(特に冷戦終了後)はうまく筋を付けられないのと同様だろう。ちなみに戦後歴史学とマルクス主義のところは、毎度中国史の歴研派と京都学派の時代区分論争を不正確に取り上げるが(今回も)、やるなら自分の言葉で説明できるお湯にもっと予習すること、そうでなければ中国史以外の地域に関する論争を紹介することなどを考えるべきだろう。現在の阪大中央ユーラシア史の学生諸君は、遊牧社会の時代区分論争なんてひとことも聞いたことがないかな(全く無意味だったと片付けるのは全然正しくない)。

奈良歴史研究会例会・奈良歴史学入門講座のご案内


【奈良歴史研究会6月例会のご案内】
◇日時:2018年6月21日(木)18:30~20:30
◇会場:奈良市ならまちセンター 会議室2
    奈良市東寺林町38  ℡0742-27-1151
    近鉄奈良駅より南へ徒歩約10分、猿沢池の南側
    http://naramachi-center.org/
◇報告:書評 黒岩康博著『好古の瘴気―近代奈良の蒐集家と郷土研究』
            (慶應義塾大学出版会、2017年)
    評者 菊地暁氏
◇資料代:300円
☆今後の例会予定
 7月総会・例会:7月7日(土)13:00~14:30 総会
               15:00~ 例会 外岡慎一郎氏報告


【第28回奈良歴史学入門講座のご案内】
◇日時:2018年6月23日(土)14:00~16:00
◇会場:奈良市ならまちセンター 会議室2・3
    奈良市東寺林町38  ℡0742-27-1151
    近鉄奈良駅より南へ徒歩約10分、猿沢池の南側
    http://naramachi-center.org/
◇講演:河上麻由子さん(奈良女子大学)
    「日本古代の『外交』」
 〈主な研究業績〉
  『古代アジア世界の対外交渉と仏教』(山川出版社、2011年)
  「アジア史の中の日本」(鈴木靖民ほか編『日本古代交流史入門』勉誠出版、
2017年)
  「五代諸王朝の対外交渉と僧侶」
    (古瀬奈津子編『東アジアの礼・儀式と支配構造』吉川弘文館、2016年)
◇資料代:300円
◇主催:第28回奈良歴史学入門講座実行委員会
 問い合わせ:奈良大学文学部史学科木下光生研究室
       TEL/FAX 0742-41-9527(直通)
       E-mail : mitsuo_kinoshita(a)mvf.biglobe.ne.jp

政治学者・白井聡さんが語る 安倍政権の今

https://mainichi.jp/articles/20180517/dde/012/010/004000c
おとといの毎日新聞夕刊。

前半は4月に出した『国体論 菊と星条旗』の中身の紹介。
天皇のかわりに米国を戴く戦後日本の「国体」。自民党を中核とする日本の政治権力は「『アメリカに従う政治的理由を見つける』ことに狂奔してきた」。
<本物の奴隷とは、奴隷である状態をこの上なく素晴らしいものと考え、自らが奴隷であることを否認する奴隷である。さらにこの奴隷が完璧な奴隷である所以は、どれほど否認しようが奴隷は奴隷にすぎないという不愉快な事実を思い起こさせる自由人を、非難し誹謗中傷する点にある>(読点の位置を一部修正させていただいた)。
こういう日本の支配層は朝鮮戦争の終結を嫌がっている。

後半は安倍内閣支持層の分析。「『統治機構が実はこんなに頼りになる』というファンタジーを信じたい人たちが大勢いるようです」
「安倍さんは名言を残しました。『何かをやっている感じが大事だ』と。これはまさに今日の時代精神です。本当にやっているかではなく、そう見えることが大事だと」。

最後の部分は30年前の「社会主義ベトナム」とよく似ている気がしてならない。あのときも政府と党は社会主義建設と祖国防衛に向けて常に「何かをやっていた」。それは全然上手くいかなかったのはすべてアメリカ帝国主義や中国覇権主義のせいだった。
いまの日本政府も「女性改革」「働き方改革」などなど常になにかをやっている。ひどくまずいことがおこったら、それはすべて北朝鮮や中国の工作員のせいだ。。。

とここまでで終わって、そういう支持層を上から目線で軽蔑するだけだったら、インテリはひどいしっぺ返しを受ける。歴史の常識がそこまでは教えてくれる。しかしどうすればよいか、とても厄介だ。

AA研フィールドネット・ラウンジ募集のお知らせ

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所は、海外で調査・研究をされる方を対象として、
研究情報交換ネットワークFieldnetを運営しております。
(http://fieldnet.aa-ken.jp/)
このFieldnetに関連して、フィールドネット・ラウンジとして、若手研究者によるシンポジウムやワークショッ
プ等の企画を、募集します。
これは、次世代の研究者が積極的に研究企画を実施し、研究者間ネットワークを広げる一助となることを目的と
しております。
若手研究者の方々による、斬新な企画を、お待ちしております。
【応募資格】
博士課程後期の大学院生、各種研究員、助教など次世代の研究者で、AA研のFieldnetのメンバー(登録者)の方
は、どなたでも企画責任者となって応募することができます。
Fieldnetに登録がお済みでない方は、事前に登録を済ませてからご応募ください。
【公募内容】
研究会企画 最大2件程度(1件あたり30万円程度を上限とする)
人類学、言語学、地域研究、歴史学、生態学、医学、生物学、農学をはじめとする諸学問分野に関連する研究会
企画実施のための旅費などを支援します。海外で行ったフィールドワークにより得られた知見や、フィールド
ワークの手法に関する企画を歓迎します。特に、学際的な企画を期待します。
【応募締切】
2018年6月29日(金)必着
【結果通知】
2018年7月中旬を予定
詳細は公募要項(PDF)をご覧ください。
http://fieldnet.aa-ken.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/fieldnet_lounge_2018.pdf
皆さまのご応募をお待ち申し上げております。
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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