公開シンポ「近代日本の偽史言説」

立教が面白いシンポをつぎつぎやっている。
http://historiographyinglobalhistory.hateblo.jp/entry/2015/09/25/054912
これも大いに意味があるシンポだ。
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ホークス大勝利

まずはめでたいことだ。
金満球団というだけでなく、選手の発掘と育成が上手な点は、トリプルスリーと達成した柳田悠岐の例に限らない。
そもそも全球団が公平に扱われていないNPBで、新規参入したチームが天下を取ろうと思ったら、1980年代の西武ライオンズもそうだったが、カネと人の両面で圧倒するしかない。ホークスがここまで来るまでには、ずいぶんムダ金も使ったが、やっと形にができてきたというところか。
当分強そうだが、これに対抗する球団が出てきたら、パ・リーグはさらに盛り上がるだろう。ファイターズとライオンズはそれぞれ、かなり明確なポリシーがあって、どちらも若手の育成に成果をあげ、上位争いの常連になっている。マリーンズにもいろんな意味で工夫してほしい。

さて、今年のホークスの勝利は画期的なところがある。
1950年にスタートした日本シリーズは、最初の15年はセ8勝-パ7勝と拮抗していたのだが、そのあとジャイアンツV9などというとんでもないことが起こった結果、セ17勝-パ7勝と大差が付き、その後阪急ブレーブスや西武ライオンズの黄金時代にパが盛り返したのだが、よくて5勝差までしか詰められなかった(1992年のセ24勝-パ19勝、2014年のセ35勝-パ30勝)。それがとうとう、4勝差まで盛り返したのである。最近15年間ではパの10勝5敗(13年間なら10勝3敗、10年間では7勝3敗)である。この勢いでセを追い抜いてほしい。

で、最近11年で2回日本一になったという点では貢献しているマリーンズは、しかしリーグ優勝は41年間していない。
そろそろ優勝が見たい。

学徒出陣の記念日

今日は1943年の学徒出陣の壮行会の日。全国の大学に学徒出陣の追悼行事や研究をしているかどうかアンケートした結果が毎日新聞夕刊に出ていた。http://mainichi.jp/shimen/news/20151022dde014040014000c.html

その隣には、加藤典洋氏の新刊『戦後入門』の「非核を加える改憲論の提言」を紹介する。http://mainichi.jp/auth/guide.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fshimen%2Fnews%2F20151022dde014040012000c.html

朝刊では「月刊 時論フォーラム」が目に入った。
グローバルヒストリーを論じる水野和夫氏の「VWとTPP 成長が社会の安定妨げる」は、「(経済)成長が、社会秩序の安定を妨げる時代になったのである」と、東芝の不正に沈黙しながら「アメリカと結んだ経済成長」路線にしがみつく安倍政権を批判する。
ゼロ金利で国内に優良な投資機会のない日独の対照的な行き方を論じ、「日独のゼロ金利は、これ以上「より速く、より遠くに」行って「蒐集」しなくても豊富な資本=生産力をもつ社会が到来していることを意味する。今後の社会秩序を安定させるのは、「よりゆっくり、より近くに、より寛容に」の原理に基づくシステムである。さもなければ、国家はますます国民と乖離する。大企業の不正事件容認は、国家自身による国民国家解体に至る。もはや、「資本国家」誕生の一歩手前まで来ているのである」と結ぶ。レーニンが似たようなことを言ってた気がするが、間違ってはいないだろう。

南京大虐殺否定論についての後者は、「ここは、戦前日本の悪行につき余計なあがきをしないことである。戦後の日本は変わり、そうした悪行には二度と手を染めないのだから、人数についてだけ留保し、あとは放っておく。あがけばあがくほど、今の日本が戦前を弁護し、戦後を見直すように映る。そうなれば、事実の撤回を求めるロシアと同じ過ちを犯すことになろう」。

遠藤乾氏の「歴史認識 余計なあがきは無用」など。

プロ野球と賭博

もともと「職業野球」は、プロレスやボクシングとそんなに遠くない「興行」だった。
プロレスの選手が賭博をしても、みんなそんなに驚かないだろう。
したがってプロ野球の試合というのは、「良家の子女」が行くところではなかったはずだ。

それが変わったのは長嶋茂雄のあたりからだとされる。
そして古い体質を切り捨てる機会になったのが、1960年代末の「黒い霧」事件。
前の時代の栄光のチームだった西鉄ライオンズが悲惨な崩壊に追い込まれた。

それで大きな利益を得たのが、それまで本当の全国紙とは言えなかった讀賣新聞でとジャイアンツであるのは有名な事実だ。
なぜか追放選手が出た九州(西鉄ライオンズ-後ろに西日本新聞と密接)と中部(中日ドラゴンズ-中日新聞が経営)で、その時期に讀賣新聞が発売を開始した。特に中部でダンピング販売をして紛争になった「中部讀賣」事件は有名である。もうひとつ追放選手が出たのは、1960年代前半の東京で人気を伸ばした東映フライヤーズ。他球団には本当に、賭博に関与した選手はいなかったのだろうか? ちなみにそのとき「灰色」選手に厳罰を与えたプロ野球コミッショナー委員会委員は、のちの「江川事件」でコミッショナーとして江川がジャイアンツ入りできるように計らった人である。

で、今回は「紳士」の球団を売りにしてきたジャイアンツ。因果は巡る糸車ということか。



富士山の登山者数制限ができない日本

山小屋や土産物屋の抵抗で富士山の登山者数制限ができない日本。
だったら「世界遺産」を返上すべし。

ついでに国民は、1億2千万人に全員登る権利があるかどうかを議論したらいいだろう。

人文学で改めるべき点はどこか

帰宅して夕刊(毎日新聞)を見ると、国立大学の中期計画素案で33大学が文系改編を計画しているというニュースが一面に出ている。

だが下の記事で紹介したネット記事を見れば明らかなように、「人文系は就職に不利」は神話に過ぎない。
では、どこがいけないのだろうか。
それは哲学や歴史や文学がいらないという話ではない。企業の採用担当者に聞いても、そういう素養が無意味だと答えることはあまりないはずだ。

いつもの繰り返しだが問題は2つ。
第一は古い日本イメージやヨーロッパ崇拝ばかり再生産するような学問内容。
第二は、教える側の「専門」を優先して授業内容を決め、体系性もなにもない授業群から学生が自分で何かをつかめという、19世紀のインテリ像に安住した教育方法。

交通に例えれば、第一は自動車や高速道路をどんどん増やすのがいいことだ、という発想のままでいる状態。
第二は、旅客の流れより車両の効率的運用を優先した旧国鉄のやりかた。

そんなことはない、われわれは改革をしている、という猛烈な反論が大学教員から出るだろう。が、それは高校教育と同じことだ。「教える技術」はすばらしい先生がいるだろう。が、全体としての中身は、「今までの枠組み」を脱して別のあるべき枠組みに、根本的に移行しているわけではない。
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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