油井大三郎先生来阪~大阪大学歴史教育研究会12月例会

今月は院生発表。
http://www.geocities.jp/rekikyo/reikai.html
「16~17世紀の東アジア世界と軍事商業政権―織豊政権を中心に―」
「第一次世界大戦と日本の植民地 ―帝国日本 総力戦体制への道―」
の2つのテーマで、高校教科書と比べながら『市民のための世界史』の記述を検討する。

油井大三郎先生も来られて、「歴史基礎」と今後の高大連携について短い話をされる予定である。文科省が次期学習指導要領について中教審に諮問をしたばかりなので、タイムリーなお話が聞けるだろう。
年末でもあり、皆さんぜひどうぞ。
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師の命日

2年前の今日、九大での集中講義中に福岡で、桜井由躬雄先生(以下、桜井さん)の訃報を聞いた。
去年の11月の東方学会学術大会でおこなったアジア史教育のシンポジウムについて、その1週間前に依頼を受けて打ち合わせを少ししたばかりだった。
集中講義から帰ったらじきにベトナム調査に出発で、翌年の追悼会に出るまでご家族に挨拶もできなかった。「一番弟子」としては不孝のかぎりであった。ある時期から徹底的に楯突いていた私だが、このときはさすがに気が引けた。

その桜井さんの農村研究をテーマとするシンポが今月21日、立教大学での東南アジア学会大会シンポとして行われる。
http://www.jsseas.org/conference/
前半が研究内容・方法に関するもので近世北部村落の上田新也さん、仏領期メコンデルタの高田洋子さん、現代の金融を研究する岡江恭史さんの3人が報告する。後半は桜井さんが創設し学生のトレーニングの場としたアジア農村研究会についてのパネルである。

『市民のための世界史』書評

神奈川の先生から送っていただいた。全県立高に送られている雑誌だそうだ。神奈川の高校世界史研究会とはもう10年以上のつきあいになる。このごろ若い先生も出て来てとても活発な動きをしており、とても刺激的だ。

   img398.jpg

日本学士院の新会員

週末のニュースで、日本学士院の新会員に間野英二、田代和生、斉藤修と歴史学者が3人一挙に選ばれたというのがあった。間野先生はムガル帝国を建てたバーブルの研究などをされた方。圧倒的に漢文圏に偏っていた日本の「東洋史学」はいまやイスラーム世界についても一流の研究者を輩出しているが、間野先生はその先達の一人。田代さんが日朝関係史、斉藤さんはプロト工業化や歴史人口学などの業績で知られ、海域アジア史やグローバル経済史への影響も大きい。3人ともアジア史または「アジア/世界の中の日本史」の研究が評価されたというのがめでたい。

ちなみに日本学士院が、フランスの学士院(アカデミー)に倣ってつくられたものだろう。ただしそれ自体が新しい研究を生み出すという機能を持っているとは思えない。文化系が社会科学を含めて「人文系」と区分されているのは、古き良き時代の香りを漂わせる。

さて総選挙結果。後世の教科書に「日本国の滅亡を決める選挙になった」などと書かれねばいいが。とにかくこの期に及んで有権者が目前の景気対策を判断材料にするというところは、かつて「エコノミックアニマル」と呼ばれた国民にふさわしいか。それを拒否する有権者の多くが投票に行かなかったのだろうが、「自民がイヤでも変わりがいない」と考える層に、「どうせどこの政策も同じ」と決めつける以上の勉強をしている人がどれだけ含まれているかは深刻な問題だろう。とにかく沖縄の結果と本土の結果の食い違いは、本土の有権者が「沖縄(や福島)のことなんか知らないよ」という意思表示をしたことを意味する。それでよいのだろうか。

「市民のための世界史」討論課題候補

NHKの取材を受けた昨日の「市民のための世界史S」で出た面白い質問。
その1は「トルコのアタチュルクが文字を変えたのはどういう意味があったのか。日本であったローマ字化論などと共通点はあるか」→漢字を廃止した北朝鮮・ベトナムなどと合わせて討論するのもいいだろう。
質問その2は「(日本の)官僚支配はなぜ崩れないのか」→東アジア国家の伝統、その中でも政権が代わると総入れ替えになる韓国・台湾などと日本の違い、といった点は討論しがいがある。
どちらも終了間際に出たので討論にはできなかったが、次期の討論課題に使えそうだ。

政府が検討高校日本史必修化 教育関係者ら支持低い中で

まだネット上には出ていないようだが、毎日朝刊の「15歳のニュース 教育」にこの問題のいいまとめが出ている。
「日本史と世界史を合わせ「歴史基礎」科目の新設を」「他国とのつながりを含む広い視野で自国知らねば」などの見出しがついて、学術会議等がやったアンケートでも日本史のみ必修には反対が圧倒的に多かったことを紹介している。高校地歴科の科目と単位数、入試との矛盾などもわかりやすく紹介してあり、大人に読ませたい。

夕刊のいとうせいこう氏による総選挙投票の呼びかけはネットで見られる。どんどん拡散しているそうだ。
http://mainichi.jp/feature/news/20141213mog00m010003000c.html
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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