ダル250奪三振

もう旧聞に属しますが、阪大歴史教育研究会のブログが立ち上がり、事務局員が交替で記事を書いています。このブログからもリンクが張ってありますので、どうぞ見てやってください。

今日も自分の間抜け、他人の理解しがたい行動、いろいろあって落ち込んだが、夜、パリーグの結果にはニコニコ。
ダルヴィッシュが17勝、野茂以来のシーズン250奪三振。いや、たいしたものだ。稲尾の時代なら毎年30勝ぐらいしそうだ。
マリーンズもやっと連敗脱出。しかし来年は超貧打線をどう立て直す?


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TPPと日本農業

このブログは「はしズム」の批判をするとアクセスが増えるようだ。
困っている人が多いのだろう。
教育現場では、ポピュリズムの恐ろしさをもっときちんと教えるべきだ。
古代ローマの無産市民とかなんとか、材料はたくさんある。

それはさておき、「二大政党制万能論」「民間企業のやりかた万能論」などとならぶ単純な議論に「農業の大規模化万能論」というのがある。この間議論を呼んでいるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)についても、推進派は「農業も大規模化して競争力をつければ大丈夫だ」という一般論だけをひたすら繰り返している(としか思えない)が、この人たちは2つの具体的な問題を避けて答えない。

・大規模化しようにも物理的に不可能な中山間地の農業はつぶれてもいいのか? 日本は山国である。
・平野部で大規模化しても、しょせんアメリカやオーストラリアよりはるかに小規模なものでしかないし、諸外国とはコストが1ケタ違うような作物が多いのだから、発展途上国並みに農産物輸出に照準を合わせた為替レートの設定ができないかぎり、ごく一部を除いてやっぱり諸外国に対抗はできないのでは?

このへんを無視して、アメリカの都合や中国への対抗だけでTPPを語るのはフェアでない。

現代歴史学の常識から言えば、英米型の大規模化はヨーロッパでも一般的でない。
また人口密度密度が高い東アジア稲作地帯は小規模家族経営(プラスの面がたくさんある)を土台に近代化を実現した地域であり、大規模化には世界中でもっともなじまない地域である。
「小農社会論」「勤勉革命論」を政財界やマスコミの人々の必修項目にすべきである(阪大歴史教育では秋田茂さんと2人で何度となくしゃべったネタ)。

ニャンパターンの一般論はもういらないニャン
P1030521阪大学バス乗り場で

今夜のクラシカ・ジャパン「20世紀の巨匠」はソロモンのベートーヴェン「熱情」、クラウディオ・アラウのベートーヴェンのソナタ32番ハ短調、同じくシューマンの謝肉祭など。どれも高校生から大学生のころに夢中になった曲だ。セピア色の下宿生活の記憶。そのときは暗くても、明るい未来を信じられた時代。

毎日新聞

最近の学生には理解できないかもしれないが、「旧人類」の私は毎日、新聞を読む。
愛読紙は朝日でも讀賣でも日経でもなく、毎日である。歴史があって現在は弱体、というところがどうにも私好みなせいだろうか。私の若いころは「大阪中心主義」と「全共闘」の質の悪い部分が集中している感じがあり悲惨だったが、最近はずいぶんましになった。

今日の夕刊も「月刊ネット時評」(高原基彰氏)などはいい記事だと思う。震災後の日本のネット言論について「この期に及んで、国内の状況に対する不満を、隣国の悪口としてしか表現あるいは解釈できない、前近代的な認識枠組みがまだ一部に残っているのは、恥ずべきことだ」というあたり、日本の右翼の言論が実は「中国人の悪いところにそっくり」である点を的確に突いている。

その一方で、1面の「?の災害専門用語 英訳します「仮設」「警戒区域」」という記事(記者の署名入り)は不勉強だ。京大でやっている留学生用の英中韓3言語のネット上での自動翻訳サービス(無料)に、英語だけ原子力や災害関係の専門用語を入れたことを特筆しているのだが、京大で震災後に「なにが起きているか知りたくても日本語のニュースがわからない」という訴えが相次ぎ、「災害への不安が影響したのか。卒業式を終えた留学生が予定を早めて母国へ帰ることもあったという」(知らなかったの???????)などと他人事のように書いているのは、1面の記事として恥だ。

最後の方にも「東日本大震災では多くの外国人被災者が出て、サポートが課題になった」とこれも他人事のように書いているが、あのときマスコミは外国人被災者のことをどれだけ報じたのか? 東北からどれだけのベトナム人労働者が逃げ出したか、三陸の海岸でどれだけのインドネシア人水産労働者が被災したか、マスコミは調べるぐらいはしたのか。

こういう記事を書くなら、震災直後にいくつかのウェブサイトが多言語情報サービスを立ち上げたこと、特定言語でも原発情報や救援情報など詳しい解説を連続掲載したウェブサイトがあったこと(このブログの3月30日付記事に一部を紹介した)なども調べてから書くべきだったろう。そうすれば、今ごろやっと英語だけなんて、1面に載せる価値はない、載せるなら「震災対策予算を投じて、多言語翻訳サービスの構築を急ぐべきだ」といった論調にならねばおかしい、と気付いたろう。そもそも(京大のサービスの場合、利用者は国外にもいるだろうが)、日本にいて翻訳サービスを必要とする外国人の多数派は、アジア系労働者など英語のわからない人たちのはずだ。

*私のある友人はまったく英語ができないが、中国・韓国通だということで、某大学の国際文化学部で留学生の世話を担当する教員になった。その大学は最初、英語のネイティブを雇ったが、来る留学生はアジア系ばかりで意味がなかったそうだ。

私は京大出身だが、こういう「なんでも東大や京大を有り難がる」マスコミにはずいぶん呆れさせられた。
「ベトナムのような珍しい外国」の情報を必要とする場合でも、この人たちはしばしば、まず東大か京大に電話する。「外交情報なら外語大」という認識がないのだ。「大学は東大(京大)」「外国語と言えば英語」「野球は巨人(阪神)」... それで済むなら毎日新聞はいらない。朝日と讀賣だけでいい。 

「困ったもんだにゃ」「にゃん、もっと勉強してほしいにゃ」

落合博満

とうとう落合監督が退任。
選手としても監督としても強烈な個性の人だった。
かれの給料を惜しんで(スターの座を奪われて妬んだ馬鹿な先輩もいた??)トレードに出したばっかりに、オリオンズ(現在のマリーンズ)は長期の低迷におちいった。

パではマリーンズに続き、フィアターズも野球がこわれてしまい、20勝確実と思われたダルビッシュも勝てなくなった、ホークス独走で、残る興味はバファローズとライオンズの3位争いだけか? いやファイターズの2位も危ないか?

大相撲。豊真将がおなじみの前頭筆頭で10勝して、やっと三役昇進確定。豊ノ島は1勝7敗から下位に7連勝して勝ち越し。時津風部屋にしては巧妙。鶴竜もなんとか9勝して大関挑戦の権利をギリギリ維持。来場所は稀勢の里の大関挑戦を吹っ飛ばすぐらいの活躍を、ライバル琴奨菊に置いていかれた豊ノ島はじめ、3人とも見せてほしいものだ。

去年はショパン生誕200年だったが、今年はリスト生誕200年でクラシカ・ジをャパンでもいろいろな曲をやっている。あんまり叙情的でないリストの旋律が、かえってすり切れかかった心にしみこむことがある。


なんでも民間に合わせればよいか?

日本人やアメリカ人は単純な考え方が好きである(日本人はあいまいだ、というのは結果としてそうなっている、なってしまったものを変える実行力がない、などの問題であって、考え方自体は単純大好きなのだと、私は思う)。

役所や公務員がやることで民間とちがうことは、なんでもかんでもおかしいと言われるのがその例である。大阪府の「教育基本条例案」についても、そういうコメントをしている大学教授がいたが、役所や公務員はそんなに怠慢で非常識で、民間企業はそんなに勤勉で優秀だろうか。

東電上層部の愚鈍・非常識はあえて言うまい。
大学に相手の迷惑も考えずマンションの売り込みの電話をかけてくる会社がよくあるが、インテリ相手の売り込みにどの社員もどの社員もまともな敬語が使えないヤツばかり繰り出してくるような会社が淘汰されずにやっていられるのをみると、民間も案外ラクチンなんだなと思わざるをえない。同じ大手保険会社からの3通の文書が、担当によってそれぞれ違った名前や住所で届いた(民営化前の郵便屋さんはこういうのをちゃんと届ける優秀な人たちだった)なんてのもあった。先日、私の学術論文の一節を模擬試験に使いたいので著作権使用の許諾をくれと連絡してきた大手有名予備校があったが、私の論文のタイトルは間違っているし、引用・設問のしかたも私のその論文での主張や教科書記述の内容と矛盾する部分があって、はっきりいって「営業妨害」だった(この予備校の模試は大勢が目にする)。抗議して訂正させたが、タイトルはともかく内容の問題は説明に時間をとられた。大学入試でこんなことがあったら、どれだけたたかれるか。実は「受験業界」も能天気でいいかげんな面があるのだ。

また、「民間のやり方に役所も従うべきだ」と主張するひとたちは、たとえば日本の企業が世界に名高い「護送船団行政」や「補助金」の恩恵をたっぷり受けて大きくなったことについて、「そうではない」という証明をする義務がある。たとえば財界人は「役人の干渉にどう抵抗したか」は語っても、「役人や政治家をどう利用したか」は語らない。これはアンフェアである。

話はとぶが、大阪府の「教育基本条例案」も、説明義務を果たしていないことが多い。
第一に、府立学校の教員は労働基本権を制限されている。要するにストができない。クビにできるようにするなら労働基本権をフルに保証しなければ憲法違反だと思われるが、その点の説明を聞かない。そういうことが許されるなら、学者である私としては、「議員を議会出席率、議会での質問回数などで評価して、2年連続D評価なら自動的にクビにする」という制度を要求したい。私が圧倒的な支持率を誇る知事だったら,「議員に毎年法律と教養のテストをして、成績の低い者はクビニする」という条例も通したい。もちろんこんなのは憲法違反である。今の大阪府の条例案はしかし、これといい勝負である。

つぎに、民間並みにしろというなら、好成績の専門職にはびっくりするような高給をはずむ仕組みがなければサギである。学テの平均が全国一になり、東大合格者が急増したら、「カリスマ教師」には年俸1億、とかいう待遇をする用意はあるのだろうか。賢い民間経営者は「アメとムチ」をうまく使い分けるものであって、「ムチだけ」強制し反論する者は「工夫が足りない」などというのは、「大日本帝国」の官僚たちと同じである。民間の優越など語る資格はない。

第3に、教師を締め上げてエリート教育をさせたら小中学校の学力テストの平均は劇的にあがるだろうか。
上位10%の生徒には青天井で得点を与えるとかいう仕組みなら別だが、100点以上の点を取れないテストでエリート教育をしても、たいして平均は上がるまい。まして大阪の問題は、膨大な低所得層などを背景として、「下の方」の成績が低いことだと言われているではないか。ここをどうするのか、知事や「維新」はだんまりであるように見える。「平均値」の計算方法を忘れたのだろうか?

第4にこの条例案にかぎらず「校長を公募」というのが好きな人がよくいる。しかし、もともと企業勤めをしていた人が異業種の「企業」に移って成功した例はいくらでもあるだろうが、一般企業人が(仮に私立学校であっても)教育という業界に移ってそう簡単にうまくいくものだろうか。教育(とくに義務教育)が広く政府・自治体に委ねられているのは、教育が警察や防衛とならんで、民間企業と異質な部分が大きいからではないのか。少数の例外はあっても、公募した校長がみんなうまくいくぐらいだったら、不祥事多発の大阪府警もいっそ民間人(専門家つまり暴力団?)を導入すべきだとならないか。このへんも、無理を遠そうとする提案者側に、教育と警察・防衛は違うと説明する義務がある。


人間は単純だにゃあ
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堺市博物館

堺市博物館から案内をもらった。
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ここはなかなかいい博物館である。大阪歴史博物館や東洋陶磁美術館とセットで見ると、海域史の好きな人間には答えられない。
古墳の世界遺産申請とからんでか、ユネスコのアジア太平洋無形文化遺産研究センターというのも誘致したそうだ。
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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