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田中輝美『ローカル鉄道という希望』

忙しくてちっとも記事をアップしなかったら、ログインするときに怪しまれて手間取ってしまったw
ご無沙汰している間にパリーグ首位争いが盛り上がったのはいいが、そこにいてほしかったわがマリーンズはいつもの通り勝負弱くて。。。

ところで大学の生協書籍部で、本業の歴史の本を買って伝票を書いてもらっている間に見つけた下の本を思わず購入。著者は阪大出身で、出身地のローカル新聞社に勤務したのち独立して、「ローカルジャーナリスト」として活動しているそうだ。「自分は鉄道専門家ではない」と最初に断っているので、もともとはまったく縁のない人かと思ったら、「おわりに」でしっかり、JR全線を20年かけて完乗したことを明かしている。
イメージ (13)

内容はしかし、通常の鉄オタのように「鉄道はあって当然」と無前提に考えるのではなく、逆に「ローカル鉄道=過去の遺物」と見下すでもなく、乗客増に成功した12の会社を取り上げて、アツい経営者・社員とそのアイディアや情熱を中心に、地域住民や自治体・国の立場までバランスよくまとめている。取り上げたパターンも、集客ターゲットを地域住民と観光客のどちらにするか、利用者へのサービスと収入増加のどちらから入るかなど、バランスが取れている。地域住民を巻き込む(他人事の反対語で「自分ごと」という言葉が多用される)、鉄道会社だけでなく地域が儲かるようにする、などの点は全体に共通する。「インフラまで全部保有しその維持更新もしながら黒字を出せ」という他の先進国ではとっくに時代遅れになった無理難題から制度面でローカル鉄道を救う第一歩となった「上下分離」方式の効用、災害復旧の大変さなどの問題にも目配りがされている。

歴史教育とおんなじだと痛感させられるのが、
・インフラの維持更新まで含めて黒字経営を続けなければ廃止、という高度成長期までの刷り込みが抜けない人が多いこと
・最初は、鉄道が組むべき地域の優良レストランやすぐれた物産などのことを知らず、「どうせこの田舎には売りになる品物などない」と決めつけていたこと。
・ある社のすぐれた取り組みを他地域のローカル鉄道が共有する仕組みが弱いこと(ひたちなか海浜鉄道でそのために、サマースクール「ローカル鉄道・地域づくり大学」を毎年開催しているそうだ)。

こういうところを変える取り組みはすなわち、日本を変える取り組みだということだろう。
編集に一部ずさんなところがあるのが惜しまれる。
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10年ぶりに買った時刻表



北海道新幹線が気になって、鉄道時刻表を購入。
昔は毎年最低1回は買い、ちょっとした旅行には持参していたのだが、最近は趣味の旅行をする暇がないのとネットで調べれば済むことから、実に10年ぶりの購入となった。

問題の北海道新幹線は列車本数も少なく、函館・東京間では所要時間から言って飛行機から乗客を奪うことがほとんど出来ないため、採算が取れるかどうか疑問だとか。膨大な公共事業費をつぎ込んだ高速道路建設に比べ、不十分かつ一貫性のない(しかし地方は地域の格を上げる目的と公共事業費の両面からとにかく欲しがる)新幹線および鉄道建設政策のひずみがはっきり出ている。

で、今後は現在の特急が走っている千歳~苫小牧~室蘭ルートでなく、途中の人口が少なく札幌直結以外にほぼ意味の無い倶知安ルートで札幌まで延ばすとか。それで札幌・東京間が3時間半になるなら意味があるかもしれないが、5時間強でしょ。札幌・函館間が乗り継ぎ込みで1時間半になるといってもねえ。フ技術開発が難航しているリーゲージトレインが導入されない限り、苫小牧や室蘭の住民には、函館方面への足が分断されて大幅に不便になるであろう点も見過ごせない(「新幹線リレー号」とかで長万部で乗り継ぎ、さらに新函館北斗でもう一度乗り継がないと函館市内に行かれないというのは、だれが利用するだろうか)。
このままの計画で札幌開通で喜ぶのは、札幌・仙台間が3時間半で結べて球場間の往復が便利になるファイターズとゴールデンイーグルスのファンぐらいでは?
現状のJR北海道がこのままでは企業として機能しなくなるおそれについても、この間の鉄道雑誌などでたびたび取り上げられているが、北海道新幹線は現在はもちろん札幌に延伸されても、その事態の改善につながりそうもない。

いちばん基本的な考え方の問題としては、鉄道に独立採算ないし営業収支の黒字を求める日本の常識は世界の非常識である点に行くのだが、
どうせ公共事業費による地元経済の振興を認めるなら、せめて新函館北斗~函館間をミニ新幹線区間にしないと(または別線を建設して函館市中心部まで乗り入れないと)話にならない。あわせて木古内方からも函館駅に新幹線列車が直接入れるように線路を引くぐらいのことはすべきだ(そうすれば東京・函館間を4時間以内で結ぶことが可能になり、飛行機からある程度乗客の移転が見込まれる。埼玉県内の乗客ははっきり大宮からの新幹線を選ぶだろう)。



路面電車沿線でマンション増加

下で紹介した路面電車年鑑によれば、富山、札幌などで路面電車沿線でマンション建設が増えているそうだ。郊外の戸建て住宅では暮らしにくい高齢者などが、病院その他の公共施設のある路面電車沿線に集まってきている由。

海外のLRTに習って、路面電車を便利にする施策もずいぶん普及した。
高知・豊橋や横川、高岡、そして富山など、路面電車の「駅前」電停(けっこう歩かないと鉄道に乗り換えられない)を駅に直結する構造に造り替えて効果を上げる路線が増えている。すすきのと南4丁目をつないで環状運転を可能にした札幌では、新設区間の線路を車道の中央でなく車道の両端に設置し、歩道から直接乗車できるようにした。
福井(福井鉄道)の市内線では、別企業の郊外鉄道(えちぜん鉄道)との相互乗り入れと「駅の出口を出ても見えない「駅前」電停」の「駅の真ん前への移設」がセットで、間もなく開始される。
車両側でも各地で、電停から同じ高さで乗り移れる超低床車が当たり前になっている。

長崎で路線延伸案が最終的に放棄されたという残念なニュースがあるが(長崎新幹線完成時にも、市内移動の時間を延ばすJR駅乗り入れをしないという、富山とは逆の決断をしたそうだ)、広島では高架でJR広島駅に乗り入れる計画があるそうだ。そして、最も注目を集めている宇都宮市・芳賀町によるLRT新設(宇都宮駅と工業団地を結ぶ)は営業主体が決まり、採算性を疑っていた市民も、採算性調査をおこなうたびに黒字見通しが拡大するので、おおむね納得しつつあるとのことだ。純粋な路線新設である宇都宮の計画が実現したら、インパクトは大きいだろう。

もうひとつ、路面電車EXの方に、広島電鉄の女性車掌の記事が載っていた。単なる「鉄子」ではなく留学経験があって英語が話せる人で、最初東京の電車の車掌になったが、もっと乗客と触れあえる広電に転職し、宮島への外国人観光客の案内など含めて活躍しているのだそうだ。すばらしい。ちなみに日本でも最近は、海外からの観光客が路面電車を夢中で撮影したりする例が紹介されている。

同誌にはまた、アメリカ太平洋岸のポートランドでの、LRTを中心にした街作りの成功例なども紹介している。路面電車による中心市街再活性化が見事に成功したそうだ。

何度も何度もしつこく書いてきたが、「路面電車イコール古い、不便、交通の邪魔、赤字」という考えは、「時代遅れになった高度成長期の発想」の典型的なものの一つである。いい加減に卒業しよう。

路面電車EXと路面電車年鑑2016

買ってしまった。この週末は電車で移動の時間がかなりあるので、車内で読もう。

  img551romen.jpg

ちなみに明日は高校の先生向けの講演で、「生徒や親に歴史を学ぶ意味を納得させる歴史の公式集」「マークシート・短答式でもそれなりにできる考えさせる入試の出題」などについて初めてやや詳しく話す機会になる。

明後日は、以下のようにマイナンバー制度と在日外国人について弁護士さんの講演など。
3月6日(日)3時半から
会場 枚方市市民会館第1会議室(京阪枚方市駅下車)
http://www.hirakatashimin.jp/map.pdf
中峯将文弁護士(中央法律事務所)
「マイナンバーと在日外国人」

久々に鉄道写真

このごろ鉄道の記事が全然書けない。思いついて最近の写真をランダムに選んで載せることにした。いずれも京急であり。
真ん中の写真のように、系列のホテルの窓から撮れる場所もいくつかある。
  P1030424大森海岸  P1040766.jpg

この2枚がどこの写真か、京急ファンならわかりますよね。
P1040818.jpg  P1040819.jpg

インドネシア高速鉄道、ODA最大受け取り国の「変心」

新幹線輸出がインドネシアで失敗した件について。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/093000095/?P=2&ST=smart
21世紀は太平洋の時代と言われる。米中が覇を競う海に浮かぶ島嶼国家の「変心」は、戦後日本が、ODAを通じて「経済力」以外の何かを東南アジア諸国に残すことができたかどうか、残せなかったのではないか、という事実を突きつけているようだ。

ありきたりの結論だが、しかし全然間違っていないところがなんともいえない。
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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