大阪大学歴史教育研究会第112回例会のお知らせ

今週の土曜。準備が。。。
西村先生の「日本史探究」についての報告はぜひ聞くべきものである。「探究」は従来のB科目の焼き直しではない。


【大阪大学歴史教育研究会 第112回例会】


日時:2018年4月21日(土)13:30~17:30


会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室 地図


プログラム:


【1】桃木至朗(大阪大学大学院文学研究科教授・本研究会代表)

「歴史教育・入試改革の動向と大阪大学歴史教育研究会2018年度活動方針」


【2】西村嘉髙(大阪大学大学院文学研究科研究生・青山学院高等部)

「高校新学習指導要領の告示を受けて-「日本史探究」を中心に」


【報告要旨】

3月30日に2022年度から実施される高等学校の学習指導要領が官報告示された(現在、文部科学省のHPで閲覧可)。現行の指導要領との違い、中教審答申との関係、パブリックコメントとその後の変化が注目される。これらを比較検討する。

「歴史総合」については早くから議論が始まっていたが、「世界史探究」と「日本史探究」の議論は遅れている。ここでは「日本史探究」に焦点を当て、現行の日本史Bとの違い、日本と世界を扱う「歴史総合」と重なる近現代史部分の違い、入試はどう変わるのかなどなど疑問点をあぶり出していき、全体の討論で問題点を深めていきたい。

【参考文献】

君島和彦「高校必修科目『歴史総合』はどうあるべきか」(『歴史学研究』№956 2017年4月)

西村嘉髙「『歴史総合』のカリキュラム案」(『日本歴史学協会年報』第32号 2017年)
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與那覇潤さんの新著ほか

與那覇潤さんの新著『知性は死なない 平成の鬱をこえて』
羽田正さんの『グローバル化と世界史』
小島毅さんの『儒教が支えた明治維新』
小浜正子さんほかの『中国ジェンダー史研究入門』

最近読んで参考になった本である。講義に活かしたい。
なお羽田さんには「阪大の秋田や桃木の言ってるグローバルヒストリーの中身は賛成するが、なにかというと大阪大学を連呼するのはよその人間が協力しにくくなるのでやめるべきだ」とご批判をいただいた。まことにもっともである。ただそれを東大の有名教授に言われると反発したくなるのが、私のような小人の性である。人類史上で自己の集団に固有名をつけて自己主張しなければならないのは、どんな集団がどんな状況に置かれた場合だろう(このテーマはアクティブラーニングの課題になるはずだ)。
自己主張は他者との関係の緊張が求めるものだろう。それがなければ「お前たちはなに人だ」と聞かれても「人間だ」と答えていればいい。では他者との関係が中心-周辺関係である場合、ものごとの固有性は中心と周辺のどちらに顕在化するだろうか。中心に飲み込まれまいとする自己主張であれ中心側からの差別的なレッテル貼りであれ、また周辺側を呼ぶ呼称であれ中心側を呼ぶ呼称であれ、それは周辺側に顕在化する。ヨーロッパで「歴史」と普通名詞でいえば最近まではヨーロッパの歴史を意味した。ベトナムの歴史は「ベトナム史」と固有名を言わねばならない。日本の大学では「哲学専攻」と「中国哲学」「インド哲学」などの間にもそういう関係がある。メールアドレスの最後に国名略称を要求されるのはアメリカではなくその他の国々である。

つまり東大の先生は東大を連呼する必要はないが、阪大が(医学部はいざ知らず人文学で関西以外にも)認知されようと思うと、いささかどぎつい宣伝も必要になるのである。
と言ったら賢い東京の学者さんたちにどう粉砕されるだろうか?

ワークショップ“Global Perspectives on the History of Europe and Asia”

この日はおもいきり他の仕事と重なっていてほとんど出られない(涙)...

HEKKSAGON 2018 Osaka Conference related Workshop
“Global Perspectives on the History of Europe and Asia”
Date: 12th April 2018 (Thursday) 9:00—17:00

Venue: Convention Center, Meeting Room 1 (1F), Osaka University (Suita campus)
        https://facility.icho.osaka-u.ac.jp/convention/map.html

・The Early Modern World from Global Perspectives
Chair: Shigeru Akita (Osaka University) 9:00-11:30
(1) Nikolas Jaspert (University of Heidelberg)
“Conversions to Islam in the Medieval Mediterranean”

(2) Dominic Sachsenmeier (Goettingen University)
“Between Hegemonies. Global Perspectives on 17th-Century Chinese Catholicism"

(3) Daisuke Furuya (Osaka University)
“Japan as Mirror: The conglomerate features of Swedish monarchy from the view of Swedish experience in Japan”
Comment: Kojiro Taguchi (Osaka University)

Lunch (11:30-12:30 at Ichou-Kaikan)
・The Twentieth-Century Transformation of the International Order of Asia in the 1930s-1950s
Chair: Harald Fuess (University of Heidelberg) 13:00-17:00 (including tea)
(1) Takuma Melber(University of Heidelberg)
“Asia and Europe under Japanese and German occupation in World War II – a short comparison”

(2) Hiroaki Adachi (Tohoku University)
“The Greater East Asia Land Development Program and the Construction in Wartime Japan of East and Southeast Asian Economic Zone”

(3) Yasuko-Hassall-Kobayashi (Osaka University)
“We need a command of Japanese! - Flows of knowledge between Japan and Australia during WWII”

(4) Tatsushi Fujihara (Kyoto University)
“Rice Varieties Developed in the Japanese Empire 1930s-1950s”
Comment: Christopher Craig (Tohoku University)
     Steven Ivings (Kyoto University)  

Organized by Graduate School of Letters and Global History Division, Open and Transdisciplinary Research Initiative (OTRI), Osaka University
Contact: Shigeru Akita akita(a)let.osaka-u.ac.jp (phone: 81-6-6850-5675)

『世界史とつながる日本史 紀伊半島からの視座』

イメージ (100)

高校「歴史総合」など日本史と世界史の接続・統合をにらんだ書籍はつぎつぎ出版されているが、ダントツの内容かもしれない。
海域世界と山・森の世界がダイレクトにつながる紀州は、東南アジアとの共通点もたくさんある。

第7回SEAHフォーラムat阪大

2月にリーバーマンのベトナムの章が終わらなかったので後半を読む。

【日時・場所】
■2018年3月29日(木)13:00~18:00
■大阪大学豊中キャンパス 文学研究科 史学共同研究室(文法経本館2階)
 ・アクセスマップ:
   1: http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html
   2: http://www.let.osaka-u.ac.jp/ja/access
 ・1のマップで2「文学部/文学研究科」、2のマップで4「文法経済学部本館」に文学研究科があります。

【内容】
■Victor Lieberman. 2003. Strange Parallels: Southeast Asia in Global Context, c. 800-1830. Vol.1
 第4章 ""The Least Coherent Territory in the World": Vietnam and the Eastern Mainland"

第4章【後半】
11. 広南阮氏政権      (p.406-419)
12. 崩壊と再統合      (p.419-427)
13. 阮朝          (p.427-435)
14. 経済          (p.435-440)
15. 不安定な面       (p.440-445)
16. 文化統合        (p.445-454)
17. 結語          (p.455-456)

SEAHフォーラム世話人:
池田一人(大阪大学言語文化研究科 thapwee(a)nifty.com)
和田理寛(京都大学東南アジア地域研究研究所 waingpaing555(a)hotmail.com)

がっかりすること

「ヴェトナム」「マレー連合州」などの不適切な用語が、必ずしも古くて不勉強なタイプではない教員・研究者によって、相変わらず再生産されているのを見ること。

入試の採点をしていて、強制栽培制度でインドネシアの人口が激減したとかいう「古典的誤解」の答案をたくさん見ること(19~20世紀の資本主義と近代文明はそんなに甘いものではない)。

ちなみに強制栽培制度(呼称も最新版教科書から代わりつつある)については、実教と帝国の教科書を見てもらわねば困る。



プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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