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大阪大学歴史教育研究会10月例会

久々の東南アジア特集。お楽しみに。

【大阪大学歴史教育研究会 第124回例会】

 日時:2019年10月19日(土)13:30~17:30

 会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室 地図


【1】深見純生(桃山学院大学国際教養学部元教授)・桃木至朗(大阪大学文学研究科教授)
「東南アジア史用語解説集について」

(要旨)われわれはかつて東南アジア学会で、高校世界史における東南アジア史用語リスト(基礎・標準・発展の3レベル)の選定をおこなったが、そのとき着手した選ばれた用語の解説や削除された用語の理由解説は、諸事情により完成目前で中断していた。その間に新指導要領が公表され世界史Aは廃止、世界史探究は3単位科目となったのでこの用語リストは組み替えが必要なのだが、用語解説集がようやくほぼ完成したので、この機会に披露して従来の用語やその説明の問題点、新しい東南アジア史の要点などを理解する手がかりとしたい。


【2】池田一人(大阪大学言語文化研究科准教授)
「ミャンマーのロヒンギャ問題について—東南アジア大陸西部の「民族」と「歴史」を考える—」

(要旨)国際社会にとってロヒンギャ問題は難民問題であり人権問題であるが、ミャンマー(ビルマ)国内ではあらかた、市民権の詐称やイスラームの宗教的攻勢の問題ととらえられている。このギャップはいったい何なのか。それ以前に、ロヒンギャとは誰だろう。これらの問いを出発点に、現地ラカイン州のラカイン人やビルマ人のナショナリズムを対置させながら、長めの歴史的スパンの中でこの土地の「民族」と「歴史」の構成原理について考えてみたい。

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関西比較中世都市研究会のご案内

第 37 回 2019 年 11 月 15 日(金) 18:30~21:30 会場:大阪市立大学文化交流センター 小セミナー室 (大阪駅前第 2 ビル 6 階) http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/academics/institution/bunko/index.html
報告;向井 伸哉氏(中世フランス史、大阪市立大学) 「14 世紀後半南仏ベジエ地方における自治体間の協力関係: 集会、使節、課税、連合」 14 世紀後半、南仏ラングドック地方の中央に位置するベジエ地方には、セリニャン村と ヴァンドレス村の自治体会計簿に代表される豊かな村落史料が残存している。この種の会計 文書は、村落が近隣の自治体と取り結んだ協力関係を解明することを可能にしてくれる。14 世紀半ば以降、百年戦争の激化にともない、ベジエ地方は治安悪化と戦争に関連した王権か らの要求(課税など)の増加に直面する。こうした危機的状況を乗り越えるために、同地方 の諸自治体は協力し、一体となって地元の問題に取り組むことを余儀なくされた。その結果、 各々自主独立の気風を固守しつつも、複数の自治体によって織り成される新しい政治社会が 現出し、村を越えたローカルあるいはリージョナルな地域意識が醸成されることになった。

近世史フォーラムのご案内

話題の書ですね。行きたい。。。

【近世史フォーラム10月例会のご案内】
◇日時:2019年10月4日(金)18:30~20:30
◇会場:大阪市立北区民センター 第6会議室
    https://www.osakacommunity.jp/kita/access.html
◇報告
 鈴木英明氏
  「ネットワーク、季節性、インド洋西海域世界―19世紀を事例に―」
 〈参考文献〉
  Hideaki Suzuki, Slave Trade Profiteers in the Western Indian Ocean, Palgrave, 2017
  鈴木英明編『東アジア海域から眺望する世界史』(明石書店、2019年9月末刊行
予定)

☆今後の例会予定
 11月例会:2019年11月30日(土)午後、於東京、斎藤修氏・渡辺尚志氏報告
 12月例会:2019年12月21日(土)午後、於大阪、安部伸哉氏・伊藤昭弘氏報告
 1月例会:2020年1月31日(金)夕方、於大阪、佐藤公美氏報告
 2月例会:2020年2月15日(土)午後、於津、太田光俊氏報告

大阪大学歴史教育研究会 第121回例会のお知らせ

若手によるきわめて興味深い、大きな話題の報告が並ぶ。

【大阪大学歴史教育研究会 第121回例会】
 日時:2019年5月11日(土)13:30~17:30
 会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室 地図
※通常の例会とは開催週が異なります。ご注意ください。

【1】早川尚志(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程 / 日本学術振興会特別研究員DC)
「過去の環境変動の復元における歴史学の寄与:環境史の試みの事例紹介」

(要旨)
 過去の環境の復元は同時代の歴史文献の記述の理解、更には目下人類社会が経験する環境変動のより長期的な位置付けを行う上で重要性が高い研究課題である。このような試みはしばしば年輪や氷縞コア、湖底堆積物などの科学データによって行われがちであるが、これらのデータに基づく時間分解能には一定の制限がある。また、重要な「科学データ」の中には実際には歴史的な観測記録から数値化されているものがあることも知られている。それ故、しばしば同時代史料の読解が過去の環境復元について重要な視座を与えることや、しばしば現状の理解を大きく更新しうる。そこで本報告では、主に8世紀と17世紀の環境史上の近年の転回の事例を紹介することで、過去の環境復元についての歴史学的知見の重要性、及びにその寄与の可能性について検討を行う。


【2】高木純一(日本学術振興会特別研究員SPD)
「東アジアの「近世化」と日本の村」

(要旨)
 東アジア「近世化」論とは、東アジア地域における歴史的リズムや政治・思想・文化の共有、相互影響を前提とした、一連の比較史的アプローチである。比較史という視座は、筆者のように、ともすれば近視眼に陥りがちな個別地域史の研究者にとって、自身の位置を再確認し、研究対象の特質を鮮明に認識することができるという点で有益である。しかし、東アジア「近世化」論においては、当該地域の「近代」、就中そこにおける日本の“特異性”に対する問題意識が強く、そのことは当該研究に単なる比較史にとどまらない深みを与えているが、同時に“認知のゆがみ”をももたらしているに感じられる。本報告では、とくに当該研究の起爆剤となった朝鮮史家宮嶋博史による「小農社会」論と、それをめぐる論争に改めて注目し、この点について詳しく述べてみたい。

中村哲先生の新著

イメージ (189)

奥付を見ると1931年生まれとある。最近の原稿を集めた本。
それだけで脱帽なのだが、内容的にも「歴史総合」など新しい歴史教育に取り込むべき議論がありそうだ。

歴史学の基本的説明

FBに書いたことのまとめ直し。
S倉先生ほか理系の先生向けの説明、学部生向けの史学概論の講義、連休明けの異分野の研究者の集まりで話すことなどに関連したメモである。

・私自身はあんまりいい説明だと思わないが、科学には法則定立的科学と個性記述的科学があり歴史学は後者に属するというかつての説明も、理系向けには意味があるかな。「個性記述」だから法則的説明がないのは当たり前。問題はそこで明らかにされた事実や、因果関係・意味などの説明の蓋然性や論理性である。それが意味がないとすれば、刑事裁判で被告の犯罪の「動機」を明らかにすることなども無意味になるだろう。
・科学であることを保証するのは反証ないし検証の可能性。その点で歴史学は、実験はできないが観測はできる自然科学の一部領域と共通する。「学術論文」では、どんな資料(=観測結果)をどう解釈したかが、完全に追体験可能な形で示されていなければならない。その資料の信頼度を確認するには厳密な「資料批判」の方法論がある。これは理系が知らない?人文学の常識。
・理系のみなさんも芸術の価値をすべて客観的な指標で評価しようとは思わないだろう。人の意識や意味、価値を扱う人文学にもそれと重なる部分がある。今のところ、それはAIにできない部分だと言われている。しかしGDPを基準にしようがどうしようが、それらは社会にとって研究する必要があることがらではないか。
・理系と違い人文学では、斬新な研究成果が論文でなく本の形で公表されることがよくある。またその世界へのインパクトは、被引用件数でなく何ヵ国語に訳されたかで評価されることが少なくない。とりあえず議論の前提としてこのへんは理系に共有されているだろうか。

プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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