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東南アジアの歴史教育などに関するワークショップのお知らせ

長文のご案内です。自由参加ですので興味をお持ちの方はどなたでもどうぞ。

3rd Workshop of JSPS Global Initiatives: International Comparative Research on How to Adapt Nation-State Oriented University History Education to the Era of Globalization
『課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業』 (グローバル展開プログラム)
「国民国家型の大学歴史教育をグローバル化時代に適応させる方法に関する国際比較」 http://history-education.labos.ac/ja
中国・韓国・アメリカなどから研究者を招いて行った2回のワークショップを受けて、今回はシンガポールとベトナムの学者、それに日本の地方大学の教員を招いて、大学歴史教育の内容・方法の改善に関する討論を続行したい。東南アジアの2国からの学者は、所属大学の性格だけでなく「一国史観」についても、対照的な位置にある。日本国内でも地方大学の教育条件は大阪大学と大きく違っている。今回はこうしたコントラストに着目して、歴史教育に関する多様なアプローチについて議論したい。
After the first two workshops, in which Scholars from China, Korea, and US participated, we would like to continue our discussion toward a new model of history education (in both contents and methods) in universities, inviting Southeast Asian scholars from Singapore and Vietnam, and a scholar from a local university in Japan as well. Scholars from two Southeast Asian countries appear to have “symmetrical” positions, not only in the nature of their universities, but also in the influence of nation-state ideology. In japan, local universities have quite different conditions form big universities such as Osaka. We would like to focus on such contrasts and differences to diversify our approach to history education.
第3回研究会ブログラムWorkshop program
日時:2017年12月10日(日)10時~17時 10:00-17:00, Dec.10 (Sun) , 2017.
会場:大阪大学豊中キャンパス(文学研究科2F大会議室)
Conference Room, Graduate School of Letters, Toyonaka Campus, Osaka University
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html (Bldg. no. 2)

10:00-10:20 開会挨拶・趣旨説明 Keynote Speech
堤一昭Kazuaki Tsutsumi(大阪大学文学研究科Graduate School of Letters, Osaka Univ.)
10:20-12:30 南洋理工大における歴史:コンテクスト、カリキュラムと発展
History @ NTU: Context, Curriculum, and Development,   
Liu Hong, Els van Dongen and Hallam Stevens (History Programme, Nanyang Technological University)
12:30-14:00 昼食Lunch
14:00-14:30 ベトナムの歴史教育:現実と展望 Teaching History in Vietnam: Reality and Prospect 
Pham Quang Minh (University of Social and Human Sciences, Vietnam National University)
14:30-15:00 歴史学と歴史教育の垣根を越えて:静岡大学の場合Beyond the Divisions between History and History Education: The Case of Shizuoka University
岩井淳Iwai Jun(静岡大学Shizuoka University)
15:30-17:00 総合討論 Discussion

報告は英語で行われます。Presentations will be made in English
お問い合わせは桃木至朗(06-6850-5674、momoki(a)let.osaka-u.ac.jp )まで。
Contact person: Momoki Shiro (+81-6-6850-5674 momoki(a)let.osaka-u.ac.jp )

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ふうううう、



「シンポジウム「歴史の智恵をどう活かすか? ――21世紀の日本がアジアと共生をめざすための歴史研究――」のご案内

アジア文化研究所・JFE21世紀財団共催シンポジウム
「歴史の智恵をどう活かすか?
――21世紀の日本がアジアと共生をめざすための歴史研究――」

JFE21世紀財団は大手製鉄会社であるJFEスチール等の醵出により設立された公益財団法人で、10年間にわたってアジア研究者に助成を行なってきました。本シンポジウムは、ICUアジア文化研究所との共催で行われるもので、JFE21世紀財団「アジア歴史研究助成」がめざすアジアの歴史、文化と社会に関する研究を手がかりに、21世紀の日本がいかにアジアと共生すべきかを考えるシンポジウムです。

事前予約不要・入場無料/定員100名(途中入退場自由)

日時:2017/12/9 13:00-18:30
場所:国際基督教大学本部棟206号室
交通アクセス:JR中央線武蔵境駅からバスで15分。
詳しくは下記リンクをご参照ください
https://www.icu.ac.jp/about/access/

プログラム
■13:00-13:15:開会挨拶および主旨説明

■13:15-15:15
講演1 青山治世(亜細亜大学国際関係学部国際関係学科准教授)
「日系中国語新聞『順天時報』と近代東アジアにおけるナショナリズムの相剋」

講演2 片山剛(大阪大学大学院文学研究科文化形態論専攻教授)
「1937年南京事件に先行する南京空襲(8~12月)の時空間復元」

講演3 川口幸大(東北大学 大学院文学研究科人文科学専攻准教授)
「中国における家族の近現代史的展開」

講演4 杉山清彦(東京大学 大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授)
「大清帝国の多民族統治と八旗制―広域支配の制度と構造」

■15:15-15:30:休憩

■15:30-17:00
講演5 真崎克彦(甲南大学 マネジメント創造学部 マネジメント創造学科教授)
「ブータン王国の国民総幸福(GNH)の歴史的考察」

講演6 真鍋祐子(東京大学大学院情報学環/東洋文化研究所教授)
「富山妙子の画家人生と作品世界―ポストコロニアリズムの視点から」

講演7 守川知子(東京大学大学院人文社会系研究科アジア史専攻准教授)
「近世西アジア社会における「異教徒」と宗教的社会変容」

■17:00-17:15:休憩

■17:15-18:30
総合討論 「未来へ向けたアジアとの共生に歴史の智恵をどう活かすべきか?」

■18:30:閉会

人文系無用論を利する「ロマンがなくなる」論

久々にブログ記事を書いたら、おおぜいが読んでくれたようだ。
有り難いことだ。
しかしテレビ取材は、必ず「これば教科書本文に載せるべき用語のリストだ、その他の用語も本文以外の場所に載せることは全く反対しない」と念を押したにもかかわらず、放映ではことごとく、「教科書から○○が消える」という扱いになっていたようだ。「教科書のどこにも載せるなとは言っていない」と聞いて、なんだつまらんと取材をやめた局があったが、まだその方が良心的ということか(ため息)。

またテレビの東大教授のコメント、朝日新聞の大学生の投書など、「ロマンがなくなる→歴史に興味が持てなくなる」という反応も多かったようだ。ロマンを無視した科学主義など、われわれは主張していないのだが(これもため息)。。。

とにかくものを単純にしか考えられない歴史好きが多くて、結果はわが論敵の物理の先生とか、人文系無用論を唱える人々を利するだけなのだが。。。

もうひとつ、この期におよんで「用語を制限すると考えさせる材料がなくなる」とか言ってる学者があちこちにいるのがなんとも言えない。そもそも用語一般を制限しろとは一言も言っていないし、そういう先生にはぜひ教科書本文や入試の用語無制限で高校歴史教育を考えさせるものにするする魔法を考え出して、われわれを救ってほしいものだ。

「龍馬が教科書から消えるなんて」?

朝日の投書欄に大学生が「龍馬が教科書から消えるなんて」。実に型どおりの反応。教科書とは何でどう作られているか、どういう改革が目指されているか、高校歴史教育の目的は何かなど、一から説明する必要がありそうだ。

ここでいちいち反論するのは大人げないが、一つだけ問題にしなければならないのは、この投書は冒頭で高大連携研が「教科書の本文に載せ入試で知識を問う用語を半減すべきだとしている」と正しい理解をしておきながら、そのあとの行論では龍馬や五日市憲法が教科書から完全に姿を消すという前提で議論をしていることだ。この学生さんは、高校の歴史教科書は本文だけから成っているとは理解していないと思うのだが。マスコミも同じだが、こういうところの非論理性は、日本の教育の基礎的欠陥だと言いたくなる。

坂本龍馬を高校歴史教科書に載せる意味は?

皆さんお久しぶりです。今週火曜に高校歴史用語の精選提案が朝日新聞に載ったため、水曜日には5件ほどテレビ局の取材を受けるという、わが生涯で空前絶後のできごとがあり、昨日の夕方はちょっと疲れてダウン寸前になりました。

この提案や、歴史用語精選の方針・基準に関するアンケートは高大連携歴史教育研究会のHPに出ていますので、まだの方はぜひご覧ください。http://www.kodairen.u-ryukyu.ac.jp/new/new_91.html
それ以来FBとツイッターに、うまく言えなかったこと、理解されていないことなどを細切れで書いてきましたが、長く書けるブログの性質を活かして、ここである種のまとめをしておきたいと思います。

まず前提:
1)激動の現代世界・現代社会の中で、歴史を学び歴史的に考える必要性は高まっていると、われわれは信じる。
2)ところが現状の高校歴史教育(「受験用」の世界史B・日本史B)は、暗記事項が多すぎてきちんと教科書を勉強していると正規の時間内には半分ぐらいしか進まない(しかも内容が古い)、結果は大学入試で歴史を選択する生徒を減らし、逆に歴史嫌いを増やしている。
  *ベテラン教員が言うには、1時間(50分)できちんと説明しながら教えられる用語は15個が限度。世界史B・日本史Bは建前上140時間で教える科目だから、15×140=2100語。しかし実際は学校行事などで時間が減るから2000個がいいところ。しかし「受験用」とされる主要教科書には世界史も日本史も3千数百の用語が載る。しかも入試は「過半数の教科書に出ている知識は出題してよい」という慣習(不文律)があるので、入試で高得点を取ろうとする生徒は4000以上の用語を覚えねばならない。それをどうやって実現しているかはここでは詳しく書かないが、とにかく入試でその科目を選択する予定のない生徒は、たとえば必修科目の世界史でも、教科書の半分ぐらいしか習えず、入試で選択しないということでモチベーションも働かないから、卒業時にはほとんど何も覚えていない状態に容易に陥る。この状態を改善するには、とりあえず時間内で終われるように、必須事項は半分に減らさねばなるまい。3年次の学校設定科目などで余分の時間が取れる学校では、その時間は全国一律暗記でない発展事項の学習にあてるべきだろう。
3)文科省は(賛否はあるにせよ)初等・中等・高等教育や教科書・入試などの全体を暗記から「生きる力」を養うものに変えようとしている。地理歴史科もその例外ではない。たとえば歴史の教科書は「暗記すべき用語をなるべく沢山載せたもの」から「豊富な資料、図表や問いを掲載し生徒が自分たちで学ぶ道具」に変える、入試も「過半数の教科書に載っている知識を問う」だけのものから、「未知の資料や問題を高校までに習った基礎知識や考え方を利用して解けるかどうかを問う」ものに変えていくことが求められている。われわれの用語提案も、高大連携歴史教育研究会での入試改革など他の側面の検討と並行しておこなわれた作業にもとづく。

マスコミや歴史好きの国民の多くがわかっていない(誤解している、気づいていない)基礎知識。
1)高校歴史教科書の「載せるべき用語のリスト」は存在しない(小学校社会科では42人の人物について教えろと指定されているが)。歴史理解には歴史観がからむので、だれかが強制力のある用語リストを作ったらそれは「思想統制」に当たるからである。われわれのリストもあくまで民間団体が自主的に作ったもので、強制力はまったくない。
  *公的なリストが存在しない状態で高校教員、入試出題者などに重宝されてきたのが、各用語がいくつの教科書に載っているかの数字(頻度数)を載せたY社の用語集である。
2)小中高校でそれぞれ歴史を教えるが、文科省は違った目的を定めている。小学校は日本史上の重要人物を学ぶ。中学校は日本通史(プラスそれに関係のある世界の動き)を学ぶ。高校では各時代の歴史の流れとか政治・経済・社会のしくみなどを学ばねばならない。つまり高校歴史教育は「偉人伝」「英雄・豪傑物語」ではない。上述のように今般の教育改革では、特に情操教育や「教養」より現代的課題を考えることを重んじている。
3)その仕組みの中で、今回報道で特に話題になった坂本龍馬は、小中学校で必ず学んでいる。小学校の漢字や中学校の計算問題を、高校で単純に繰り返して必須事項にするだろうか? わかっているものとして先へ進む、別のよりハイレベルな文脈で扱うなど、いろいろなやり方があるはずだ。
4)これをここで書くと変に思う人がいるだろうが、しかしわかっていない人がすごく多いのは、歴史教科書で扱う事項は時の経過とともにどんどん増えるということ。私の高校時代と比べて現代史の部分は45年分増えている。そうしたら従来教えていた部分を削らないと、教科書や暗記事項は自動的に増えてしまう。

以上を踏まえて作ったわれわれの用語リストの特徴:
1)これは「教科書本文に書く(→全員覚えろ、となる)、入試で知識として問うなどの事項を減らすために作ったリストであり、上記のように今後充実を要求される教科書の資料や図版・コラム、入試の資料問題などにこれ以外の用語を含めても、なんら問題はない。教科書ごと、地域ごと、教室ごとにそこはむしろ多様化させるべきである。全国一律に教える事項が多すぎて、多様な授業を邪魔している現状では、一律に教えて強制的に覚えさせる事項は大幅に減らさねばならない。
2)そうなると、物語、偉人伝などの文脈で強調されてきたが実際に歴史を動かしたかどうか疑問な人物や事件は、削る対象になる。参考資料や考察対象としてそれらを取り上げるのは差し支えないが、それが実際に歴史を動かした人や事件、大きな歴史の変動などと比べて優先されるのは(時間が足りない中では)完全に間違っている。
3)これは19世紀でも20世紀でもなく21世紀に歴史を学ぶためのリストである。それに必要な用語(従来無視されてきた「時代」「史料」など基礎概念・歴史のキーワードや、「難民問題」「気候変動」など現代用語の基礎知識的な用語を補わねばならない。そのために、かつて必須の教養だった用語(人名・事件名や芸術作品名)も大なたを振るわざるを得ない。それらを維持する主張は、ノスタルジアとして理解はできるが、社会的にはある種の「既得権益にしがみつく」行為を見なさざるを得ない。

最後に今後:
1)来年2月まで、歴史用語精選の方針・基準のアンケートと用語リストそのものへの意見を受け付け、年度末に用語リストの確定案を作成する(同じく年度末には高校の学習指導要領が出来ているはず)。
2)その後、まずは私大入試や国公立二次試験、2020年度に始まる大学入試センターの新型入試などでこのリストを参考にしてくれるよう働きかける。
3)同時に、2022年度から実施される高校新科目「歴史総合」「世界史探究」「日本史探究」の教科書編集の参考になるよう、用語リストの振り分け・組み替えを行う。

坂本龍馬がなぜない、ガリレオ・ガリレイはなぜ切られた、と騒ぎ立てるのは、ここまでの前提を理解したうえでやっていただきたい。そうすれば、「復活折衝」の余地も生じてくるだろう。




プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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