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比較家族史学会シンポ「東アジアはどこまで儒教社会か」開催迫る

http://jscfh.org/2021/05/16/%E7%AC%AC68%E5%9B%9E%E3%80%80%E6%98%A5%E5%AD%A3%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E3%81%94%E6%A1%88%E5%86%85/

比較家族史学会の大会シンポである。一日半使う大がかりなもので、私の出番は初日=18日(土)の夕方
専門家にまじって話すのはとても恥ずかしいが、族の形成と村の形成が相互に影響し合いながら進んだという新しくない話について、バッコック村の地簿など直接は家族に関係しない史料を導入すると何が言えるかという試みである。

【日程】 2021年6月19日(土)・20日(日)
【会場】 京都大学・東京大学サテライトオフィス
【開催方法】 オンライン開催:Zoomウェビナー形式(定員:500名)【参加費・申し込み】 無料・要事前申込み(非会員も参加可)

 ・申し込み:専用申し込みフォーム(後日、リンクを貼ります。)

 また、以下のURLからも申し込めます。
https://onl.tw/GWMQq1U
・申し込み締切:2021年6月13日(日)
【参加方法】 申込者に大会前にZOOM 参加に必要なURL等およびレジュメ入手方法を連絡
【プログラム】

6月19日(土)

9:30~9:35 開会挨拶 小池誠(会長・桃山学院大学)
9:35~9:40 大会運営についてのお知らせ
9:40~11:20 自由報告 司会 宇野文重(尚絅大学)
9:40-10:05 宋円夢(京都大学文学研究科・院)
「中国における『二人っ子政策』以後のマス/ソーシャルメディアによる『家族像』の再編成─生政治を乗り越える可能性から」
10:05-10:30 田中美彩都(日本学術振興会特別研究員PD(東京大学))「植民地期朝鮮(1910–1945)における異姓不養原則の『伝統』化過程―婿養子制度導入の経緯と朝鮮社会の対応を中心に」
10:30-10:55 孫詩彧(名古屋大学男女共同参画センター・GRL)
「家庭役割の分担を調整するプロセス―中日育児期共働き夫妻の事例を用いて」
10:55-11:20 永野由紀子(専修大学)
「インドネシア・バリ村落の家族・親族関係・近隣組織―グヌンサリ慣習村の2つの部落の事例」

(休憩 70分)

12:30~18:00 シンポジウム
テーマ
「東アジアはどこまで『儒教社会』か?―チャイナパワーとアジア家族」
 司会 落合恵美子(京都大学)・小浜正子(日本大学)

*主催:比較家族史学会・共催:科学研究費基盤B「東アジアにおける家族とセクシャリティの変容に関する比較史的研究」(研究代表者:日本大学文理学部・小浜正子)

開会と趣旨説明
12:30-12:45 小浜正子(日本大学)
「東アジアの家族主義を歴史化する」
12:45-13:00 落合恵美子(京都大学)
「アジアの重層的多様性―双系的アジア/父系的アジアと文明化」
第1セッション:儒教と家族―中国の思想と現実
13:00-13:20 小島毅(東京大学) 
「儒教経学における家族」 
13:20-13:40 佐々木愛(島根大学)
「儒教の『普及』と近世中国社会」 
13:40-14:00 第1セッション討論
(休憩 10分)

特別講演
14:10-15:00  Martina Deuchler
“The Impact of Confucianism on the Korean Kinship System: A Reconsideration”
(休憩 20分)

第2セッション:儒教受容の多様な側面―近世東アジアの各地域
15:20-15:40 吉田ゆり子(東京外国語大学)
「儒教思想の日本的受容と職分観念―性別役割に注目して」
15:40-16:00 牧田勲(摂南大学)
「近世刑法と武士道儒教―忠孝を中心に」
16:00-16:20 武井基晃(筑波大学)
「琉球王府の家譜制度と儒教―新たな姓・家系の成立の仕組みを中心に」
16:20-16:40 桃木至朗(大阪大学)
「近世ベトナムにおける族の形成と村落社会」
16:40-17:20 第2セッション討論
(休憩 10分)
第一日目討論(17:30-18:00) 
討論者:豊島悠果(神田外語大学)

6月20日(日)
第3セッション:東アジアの近代と儒教
10:00-10:20 鄭智泳(梨花女子大学)
「朝鮮儒教家族論再考―大家族・家長権・国家政策」
10:20-10:40 官文娜(香港大学)
「東アジア養子縁組文書の比較と儒教的宗族原理」
10:40-11:00 森本一彦(高野山大学)
「民俗慣行と儒教」
11:00-11:30 第3セッション討論
(休憩 60分)
第4セッション:儒教的なるものの現在―祭祀・相続・系譜 
12:30-12:50 文玉杓(山東大学・韓国学中央研究院)
 ”Daughters’ Rebellion: Women and Lineage Property in Contemporary Korea” (娘たちの反乱―現代韓國社會における女性と宗中財産)
12:50-13:10 加藤敦典(京都産業大学)
「儒教的祖先祭祀モデルの複相性―現代ベトナム村落における家屋と居住と祭壇」
13:10-13:30 王小林(香港城市大学) 
「墓のない故郷へ―現代中国における『家』の機能」
13:30-14:00 第4セッション討論
(休憩 10分)
第二日目討論(14:10-14:50)
討論者 小倉紀蔵(京都大学) 
(休憩 20分)
総合討論(15:10-17:00) 
討論者 粟屋利江(東京外国語大学)・小泉順子(京都大学)
(*両日とも日韓通訳を予定)
17:00~17:05 閉会挨拶 床谷文雄(副会長・奈良大学)
17:05~17:10 参加者全員オンライン退出

【シンポジウムの趣旨】

 中国の台頭がめざましい21世紀の世界において、東アジアは中国との関係で再定義されつつある。中国文明圏は現代になっても共通する性質をもつという認識を表しているのが、儒教資本主義、儒教福祉国家などといったカテゴリー化である。「儒教」が中国文明を代表するレッテルとして用いられている。
 しかし、そもそも儒教社会とは、どのような社会を言うのだろうか。儒学の考え方はどのように、またどの程度、中国をはじめとする東アジア社会を規定しているのか、いないのか。この問いに対し、地理的には東南アジアまで含む広義の「東アジア」社会の比較を通して、答えを出すのが本シンポジウムの目的である。
 儒教は家族主義的なものであるとしばしば言われ、家族はこれらの社会それぞれの文化的な核とされてきたから、これは比較家族史を掲げる本学会がいつかは取り組まねばならなかったテーマであると考える。とはいえ、儒教の影響とされる家族主義・祖先崇拝の重視・父系血統主義など、尊卑のヒエラルキーを伴った人間関係のネットワークによる社会秩序形成は、儒教だけの専売特許でもない。
 このテーマに関する各国の研究状況はさまざまである。中国自身については、儒学を国家イデオロギーとして位置づけようとする動きがある一方で、異なる時代・地域・階層に対して、儒学がどのように異なった意味をもっていたのかを実証的に問い直す研究が始まっており、道教や仏教との対立および融合にも注意が向けられている。韓国では朝鮮時代後期に朱子学の影響により「朝鮮社会の儒教化」が起きたという説をめぐって、新たな研究が生まれている。その一方で、日本の学界は「儒教と日本」という問いをしばらく避けてきたのではないだろうか。それ自体が戦後日本のナショナリズムと自己認識の問題として興味深いが、今回はこの問いに、正面から、比較史的視点をもって向き合ってみよう。日本の「家」は固有の家族制度だと言われる一方、儒教の影響も指摘されているが、それはどのような意味においてだろうか。
 本シンポジウムではさらに、ベトナムはもちろんのこと、その他の東南アジア諸国も含めて、「儒教」というチャイナパワーが歴史的に、また現代において、アジアの家族やジェンダーにどのような影響を与えてきたのかを探りたい。その際、思想自体の変容および思想と実践の乖離と相互浸透、さらに儒教的世界観において周縁化されやすい女性と庶民層にとりわけ目を向け、「儒教」とジェンダー、「儒教」と階層の関係の解明に注力したい。
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比較史と関係史

中世のイスラーム社会とキリスト教社会の共通点。
モンゴル帝国とアメリカ合衆国の共通点
モンゴル帝国に抵抗した日本・高麗・大越・ジャワの共通点
中華帝国とアメリカ合衆国の共通点
冷戦時代のアメリカとソ連の共通点

いずれも市民のための世界史で使っていた小テストの課題である。加工すれば高校のアクティブラーニング課題にもなるだろう。
ところで脱線だが、グローバルヒストリーの講義に出る学生・院生のコメントペーパーが、関係史に甘く比較史に厳しいことが気になる。
比較史の実例について差異をあげつらって「比較できない」と突っ込むことが多いが、違いがあったら比較できないなら「すべての事象が一回性をもつ(個性的である)」と主張してきた歴史学において比較史は成り立たない。他方そういう学生は、関係史のかなりの部分が大塚史学に代表される戦後歴史学で「その関係性は表面的にすぎない、関係をもった社会の構造を規定していない」と論破された歴史を知らない。グローバルヒストリーなどの広域史は、狭い一国史と比べると、そういう方法や考え方に鈍感なままで取り組むことの危険性がきわめて大きいと知るべきである。

海域ヨーロッパ史研究会

立教の小澤さんがやっている科研の研究会で報告を頼まれた。中世が中心な点は「海域アジア史」と違うかな。 
ご連絡いただければZOOM情報をお知らせします。                                                                                             

第10回:2021年6月5日(土)20:00ー

桃木至朗(大阪大学)「海域アジア史:目的・展開・将来」

本研究会ではヨーロッパ半島の前近代史を海域・河川・湖沼などのネットワークとの関係において考えることを続けておりますが、本邦においては、海域アジア史という一つのモデルが既に存在します。今回は、『海域アジア史研究入門』(岩波書店、2008)を編まれた桃木先生においでいただき、海域アジア市のこれまでとこれからをお話しいただきます。


トピック: 第10回海域ヨーロッパ研究会
時間: 2021年6月5日 08:00 PM 大阪、札幌、東京

2)
第11回:2021年6月15日(水)19:30ー

Medieval Zomias: Work in Progress(報告は日本語です)
1. Medieval Zomiasの射程(小澤実)
2. Yoichi ISAHAYA, Isolated but Close to the Sky: Astronomy in the Nizārī Ismāʿīlī Highlands(諫早庸一)
3. Minoru OZAWA, Making and manipulating communities through ships: alternative aspect of state formation in maritime stateless spaces in early Scandinavia(小澤実)
4. Hitomi SATO, The Art of Not Being Governed in the "State-full" Late Medieval Italian Peninsula(佐藤公美)
5. Takashi KAWATO and Minoru OZAWA, Wako as an agent of change in late medieval and early modern East Asian maritime zomia(川戸貴史)
6. Discussions

オックスフォードにおける2019年と20年の二回にわたる国際会議を経て、ジェームズ・スコットのゾミア論のアイディアを中世世界において検討した、Ian Forrest, Amanda Power, and Minoru Ozawa (eds.), Medieval Zomias: Alternative Global Historiesの刊行が22年に予定されております。本論集には、私からの提案で、境域空間であるmedieval zomiaとして海域に関するパートも組み込まれており、なおかつ、日本から4名の論考が寄稿されます。今回の報告では、提出原稿をブラッシュアップするために、その4名の論考の概要を報告のうえ討論します。

奈良歴史研究会のご案内

【奈良歴史研究会6月例会(オンライン)のご案内】
◇日時:2021年6月24日(木)18:30~20:30
◇報告:宍戸香美氏
    「薬師寺寺辺地域における龍王社への信仰
       ー奈良盆地の祈雨祭礼の検討にむけてー」(仮)
〈参考文献〉
 宍戸香美「薬師寺龍王社の祭礼と史料」(奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所古
代学・
     聖地学研究センター『古代学』11、2020年)
 西瀬英紀「薬師寺修二会の存続基盤」(『藝能史研究』76、1982年)

◇オンライン開催方法
 参加ご希望の方は、6月21日までに、下記のアドレスまで、メールをお送りくださ
い。
 6月22日以降にZoomの招待状をメールでお送りいたします。
 木下光生 mitsuo_kinoshita[a]mvf.biglobe.ne.jp

☆今後の例会予定 ※いずれもオンライン開催の予定
 7月例会:2021年7月24日(土)15:00~ 山本祥隆氏・山崎有生氏報告
 9月例会:2021年9月30日(木)18:30~ 森川正則氏報告

オリンピック

FBやツイッターと比べてブログはやっぱり面倒で、つい書けない日々が続いている。
定年退職して授業や会議がほとんどなくなったおかげで、退職前に引き受けていた原稿執筆や発表準備はずいぶんはかどっているが、それでも新しく来る依頼などもあり(引き受けなければいいのだが)、なかなか楽にはならない。

というところで付けていたCSの画面を見ると(京都の殺人ドラマ)、なんと東南ア研の向いの喫茶店内のシーン。昔何度か行った店。向こうに東南ア研の建物が映っている!

で、タイトルに書いたオリンピック。これを中止にできないというのは狂気の沙汰だろう。問題はコロナなのだが、大規模検査を断固やらないこと、より多くの医療現場と医療者が患者に対応できる仕組みを作らなかったこと、あげくはワクチン接種の予約の混乱など、政府と社会の弱点を思い知った。1942~45年にも、1467年からの100年間も、この国の政権はこういうことを繰りかえしていたのだろうか。

大阪大学歴史教育研究会3月例会のご案内

前日の「最終講義」(案内とオンラインの申し込みは阪大文学部HPへどうぞhttp://www.let.osaka-u.ac.jp/ja/research/community/FinalLecture/20210312)に続き、歴教研の例会でも退職前最後の報告をさせてもらう。といっても歴教研は4月以降も出席しますが、院政は敷かないように努力しますw。
最終講義「東洋史学・地域研究・グローバルヒストリー~あるベトナム史学者の自己形成と自己表現~」では研究者としての私の歩みに焦点を当て、教育については歴教研の方で話そうと考えています(要するに最終講義を2コマやろうという図々しい計画?)。ただし両者に共通するのが「教養」ないし「言葉と学知のOS]のアップデート、そこでの歴史(学)の位置などです。お暇な方は両方聞いていただくと「あいつはなぜ、何を考えてああいうことをやってきたのか」の全体像らしきものが見えるのではないかと思います。

当日の報告をお願いした小林さんは、私のCSCD(コミュニケーションデザインセンター)時代の同僚で、のち阪大副学長もされた方です。もともと理学部出身、科学技術社会論の専門家ですが人文・社会系に造詣が深く(→学術会議問題での人文・社会系の視点を踏まえた奮闘)、阪大の高度教養教育の設計に大きな貢献をされました。当日は現代社会に必要な教養、「専門家」「知識人」と市民社会との関係、異分野との協力や他流試合のやり方などを縦横に語っていただき、歴史教育の今後の方向性をめぐる多層的で動的な議論を「一部の先進的教員」だけのものでなくする方法をさぐりたいと思います。

【大阪大学歴史教育研究会第133回例会のご案内】
日時:2021年*3月13日(土) *13:30~17:30
会場:ウェブ開催(ZOOM使用)
*※通常の研究会とは開催週が異なりますのでご注意ください。*

小林傳司(大阪大学名誉教授、科学技術振興機構社会技術研究開発センター上席フェロー)
桃木至朗(大阪大学文学研究科教授)
*「抽象論と個別事情の迷路から抜け出す方法~「言葉と学知のOS」から考える新しい歴史教育」*

(要旨)近年の改革をめぐる教育現場の議論は、高大どちらを見てもしばしば(人文系では特に?)、「何のための改革か」のような抽象的・一般的な議論と、個々の学校や科目・入試の「現実」しか考えない議論・行動の間で迷路に入り込んでいないだろうか。その背景を探ると、知識と考え方の関係、教科・学問分野ごとの目的・方法の違い、入試の公平性、それらを議論する言語表現等々をめぐる認識がかみ合わないために、改革をめぐる議論の積み重ねを追体験しながら、新しい研修や批判的実践のステップを上がって行くことがうまく出来ないケースがまま見られる。教員などの「専門家」だけでなく、生徒の親などの「一般市民」やマスコミも似たようなものではないか。となるとそれは、歴史教育や教員の養成・研修だけの問題ではなくなる。そこで今回は、中等・高等教育が全体として涵養すべき学問・認識の一般的土台(たとえば大学の教養課程--学部高学年・大学院向けの「高度教養教育」を含む--が扱うべきもの)という角度から、新しい歴史教育のあり方や役割を議論してみたい。回り道のようだがそこで頭の整理が出来れば、あちこちに転がっている「コロンブスの卵」が見えるようになり、改革への対処は単純な苦役ではなくなるだろう。

この例会は新型コロナウイルス問題に鑑みZOOMを用いて開催することになりました。
そこで、参加者や人数などを把握するため、ご参加を希望される方には事前のお申し込みをお願いしたく存じます。

*研究会ホームページ(https://sites.google.com/site/ourekikyo/
)より、事前のお申込みをお願いします。*
*開催週の木曜日(3月11日)**までにお申し込みいただいた方には、**翌日の金曜日にミーティングIDとパスワードをお送りします。*
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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