東京外大「TUFS Cinema」のご案内

東京外国語大学では、世界諸地域の社会・歴史・文化などの理解を深めることを目的として、TUFS Cinema と題する映画上映会を不定期に開催しています。

本年12月から来年1月にかけて、東南アジア映画特集と題して、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、マレーシアの4カ国の映画を上映することになりました。全作品入場無料で一般公開しておりますので、ぜひご参加ください。上映後には各国映画の専門家による解説もあります。

日時: 2017年12月9日(土)、16日(土)、23日(土)、2018年1月6日(土)
いずれの回も 14:00 開場、14:30 開映

会場: 東京外国語大学府中キャンパス (府中市朝日町3-11-1)
アゴラ・グローバル プロメテウス・ホール
(交通・周辺地図) http://www.tufs.ac.jp/access/
(構内地図) http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/campusmap.html

入場: 無料/申し込み不要(定員501名)

お問い合わせ先: 東京外国語大学 総務企画課 広報係
(電話) 042-330-5150
(E-mail) soumu-koho@tufs.ac.jp

上映作品:
2017年12月9日(土) 14:00 開場 14:30 開映
『小さな村の新任教師 Tomorrow』 (ミャンマー)
解説: 三木優 (脚本家・ミャンマー映画祭実行委員会代表)
詳細: https://tufscinema.jp/171209-2/

2017年12月16日(土) 14:00 開場 14:30 開映
『ダイアモンド・アイランド』 (カンボジア)
解説: 本間順子 (カンボジア語通訳・映画ライター)
詳細: https://tufscinema.jp/171216-2/

2017年12月23日(土) 14:00 開場 14:30 開映
『見習い』 (シンガポール)
解説: 盛田茂 (立教大学アジア地域研究所特任研究員)
詳細: https://tufscinema.jp/171223-2/

2018年1月6日(土) 14:00 開場 14:30 開映
『JAGAT (世界の残酷)』 (マレーシア)
解説: 戸加里康子 (東京外国語大学非常勤講師)
詳細: https://tufscinema.jp/180106-2/

主催: 東京外国語大学
協力: 大阪アジアン映画祭、東京国際映画祭、ミャンマー映画祭、大学の世界展開力強化事業「日本発信力強化に貢献するミャンマー・ラオス・カンボジア知日人材養成プログラム」
後援: 調布市(映画のまち調布)、府中市

なお、TUFS Cinema 東南アジア映画特集の上映日と同日に、TUFSオープンアカデミー講座「東南アジアの映画を知ろう――ミャンマー、カンボジア、シンガポール、マレーシアの映画と社会」(受講料:4回で1500円)を開催いたします。映画の解説者と同じ、三井優(ミャンマー映画)、本間順子(カンボジア映画)、盛田茂(シンガポール映画)、戸加里康子(マレーシア映画)の各講師が、各国の映画事情をわかりやすく解説します。映画を通じて東南アジアの社会や文化をより深く理解したい方の受講を歓迎いたします。

日時: 2017年12月9日(土)、16日(土)、23日(土)、2018年1月6日(土)
いずれの回も13:00-14:00

会場: 東京外国語大学府中キャンパス
アゴラ・グローバル 3階 プロジェクト・スペース

受講料: 4回で1500円

講座の詳細や応募方法については以下のウェブページをご覧ください。

講座の内容:
http://www.tufs.ac.jp/common/open-academy/course/list/education/index.html#m
応募方法:
https://www.tufs-sap.jp/open-academy/index.php?page_id=0
応募締め切り: 2017年11月27日(先着60名)

お問い合わせ先: 東京外国語大学 総務企画課 広報係
(電話) 042-330-5823
(E-mail) tufs-openacademy(a)tufs.ac.jp
スポンサーサイト

ゾミア研究会のお知らせ

第31回ゾミア研究会・KINDAS合同セミナーを開催いたします。

今回は、マックス・プランク研究所のTam Ngo氏とPeter Van der Veer氏をお招きし、東南アジア山地の宗教と国家に関して講演
していただきます。

どなたでも自由に参加できるオープンな研究会です。事前登録などの手続きは必要ありません。

ぜひお気軽にご参加ください。



日時:2017年11月21日(火)15:00~18:00(14:30開場)

場所:京都大学東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館3階 中会議室

使用言語:英語



以下、英文のお知らせになります。



-------------------------------------------------------------
Dear all,

You are cordially invited to Joint Seminar by Zomia Research Group 31st meeting (CSEAS) and KINDAS (ASAFAS). We welcome Dr. Tam T. Ngo and Professor Peter van der Veer to Kyoto University.

The event is open to everyone.

Date: Tuesday November 21, 2017

Time: 15:00-18:00 (The room will be open at 14:30)

Place: Inamori Memorial Hall, 3F, Mid-size meeting room.



15:00-15:50

Dr. Tam T. Ngo

Dynamics of Memory and Religious Nationalism in a Sino-Vietnamese Border Town



15:50-16:40

Professor Peter Van der Veer

Lost in the Mountains



Coffee break



17:00-17:20

Discussants Julius Bautista (CSEAS Kyoto University)

Masao Imamura (Yamagata University)

17:20-18:00

Discussion





*Dynamics of Memory and Religious Nationalism in a Sino-Vietnamese Border
Town*

*Tam T. Ngo*

This paper analyses the dynamics of official and unofficial religious nationalism in the Vietnamese border town Lào Cai. In 1979 Lào Cai was one of many Vietnamese towns that were reduced to rubble during the short but bloody war between Vietnam and China. The normalization in Sino-Vietnamese relation in 1991 allowed a booming border trade that let Lào Cai prosper while the painful memory of this war continued to haunt the town and the daily experiences of its residents, both humans and gods. Since any official remembrance of the war is forbidden by the Vietnamese state, Lào Cai residents have found a religious way to deal with their war memories that skillfully evades state control. By analyzing narratives about the fate of the gods and goddesses that reign in the Father-God Temple and the Mother-Goddess Temple, two religious institutions located right next to the border, this paper shows that it is in the symbolism of the supernatural that one can find memories of the war and of the changing social landscape of Lào Cai and reconstruct its history.



*Tam T. Ngo *(ngo@mmg.mpg.de

) is a research fellow at the Max Planck Institute for the Study of Religious and Ethnic Diversity, Gottingen, Germany. She is the author of the monograph *The New Way: Protestantism and The Hmong in Vietnam* (University of Washington Press, 2016) and co-editor of *Atheist Secularism and Its Discontents: A Comparative Study of Religion and Communism in Eastern Europe and Asia *(Palgrave MacMillan, 2015)



*Lost in the Mountains*

*Peter van der Veer*

This paper engages the question of the relation between civilization, political formation, and mountain people in the Southeast Asian mainland massif. The argument I want to present is that the fragmentary nature of state formation in the area does not allow us to capture it in a model of state versus nonstate actors. Nevertheless, political formations and connections of trade take precedence over civilizational expansion.
However, the fragmentary nature of social life in the mountains makes the use of general models difficult.

*Prof. Peter van deer Veer* (b. 1953) is director of the Max Planck Institute for the Study of Religious and Ethnic Diversity in Göttingen. He has taught Anthropology at the Free University of Amsterdam, Utrecht University and the University of Pennsylvania. He received the Hendrik Muller Award for his social science study of religion. He is an elected Fellow of the Royal Netherlands Academy of Arts and Sciences and a member of several advisory boards, including The Prayer Project of the SSRC in New York. Van der Veer works on religion and nationalism in Asia and Europe. He published a monograph on the comparative study of religion and nationalism in India and China, entitled The Modern Spirit of Asia. The Spiritual and the Secular in China and India (Princeton University Press, 2013) Among his other major publications are Gods on Earth (LSE Monographs, 1988), Religious Nationalism (University of California Press, 1994), and Imperial Encounters (Princeton University Press, 2001). He was editor or co-editor of Orientalism and Post-Colonial Predicament (University of Pennsylvania Press, 1993), Nation and Migration (University of Pennsylvania Press, 1995), Conversion to Modernities (Routledge, 1997), Nation and Religion (Princeton University Press, 1999), Media, War, and Terrorism (Routledge-Curzon, 2003), Patterns of Middle-Class Consumption in India and China (Sage 2007). Most recently he edited the Handbook of Religion and the Asian City. Aspiration and Urbanization in the Twenty-First Century (University of California Press) Professor van der Veer serves on the Advisory Board of China in Comparative Perspective, Political Theology, and the Journal of Religious and Political Practice. He has just started a new
journal: Cultural Diversity in China.


--------------------------------------------------------------

Zomia Study Group contacts: Koichi Fujita, Mio Horie, Hisashi Shimojo (Center for Southeast Asia Studies, Kyoto University)

「シンポジウム「歴史の智恵をどう活かすか? ――21世紀の日本がアジアと共生をめざすための歴史研究――」のご案内

アジア文化研究所・JFE21世紀財団共催シンポジウム
「歴史の智恵をどう活かすか?
――21世紀の日本がアジアと共生をめざすための歴史研究――」

JFE21世紀財団は大手製鉄会社であるJFEスチール等の醵出により設立された公益財団法人で、10年間にわたってアジア研究者に助成を行なってきました。本シンポジウムは、ICUアジア文化研究所との共催で行われるもので、JFE21世紀財団「アジア歴史研究助成」がめざすアジアの歴史、文化と社会に関する研究を手がかりに、21世紀の日本がいかにアジアと共生すべきかを考えるシンポジウムです。

事前予約不要・入場無料/定員100名(途中入退場自由)

日時:2017/12/9 13:00-18:30
場所:国際基督教大学本部棟206号室
交通アクセス:JR中央線武蔵境駅からバスで15分。
詳しくは下記リンクをご参照ください
https://www.icu.ac.jp/about/access/

プログラム
■13:00-13:15:開会挨拶および主旨説明

■13:15-15:15
講演1 青山治世(亜細亜大学国際関係学部国際関係学科准教授)
「日系中国語新聞『順天時報』と近代東アジアにおけるナショナリズムの相剋」

講演2 片山剛(大阪大学大学院文学研究科文化形態論専攻教授)
「1937年南京事件に先行する南京空襲(8~12月)の時空間復元」

講演3 川口幸大(東北大学 大学院文学研究科人文科学専攻准教授)
「中国における家族の近現代史的展開」

講演4 杉山清彦(東京大学 大学院総合文化研究科地域文化研究専攻准教授)
「大清帝国の多民族統治と八旗制―広域支配の制度と構造」

■15:15-15:30:休憩

■15:30-17:00
講演5 真崎克彦(甲南大学 マネジメント創造学部 マネジメント創造学科教授)
「ブータン王国の国民総幸福(GNH)の歴史的考察」

講演6 真鍋祐子(東京大学大学院情報学環/東洋文化研究所教授)
「富山妙子の画家人生と作品世界―ポストコロニアリズムの視点から」

講演7 守川知子(東京大学大学院人文社会系研究科アジア史専攻准教授)
「近世西アジア社会における「異教徒」と宗教的社会変容」

■17:00-17:15:休憩

■17:15-18:30
総合討論 「未来へ向けたアジアとの共生に歴史の智恵をどう活かすべきか?」

■18:30:閉会

人文系無用論を利する「ロマンがなくなる」論

久々にブログ記事を書いたら、おおぜいが読んでくれたようだ。
有り難いことだ。
しかしテレビ取材は、必ず「これば教科書本文に載せるべき用語のリストだ、その他の用語も本文以外の場所に載せることは全く反対しない」と念を押したにもかかわらず、放映ではことごとく、「教科書から○○が消える」という扱いになっていたようだ。「教科書のどこにも載せるなとは言っていない」と聞いて、なんだつまらんと取材をやめた局があったが、まだその方が良心的ということか(ため息)。

またテレビの東大教授のコメント、朝日新聞の大学生の投書など、「ロマンがなくなる→歴史に興味が持てなくなる」という反応も多かったようだ。ロマンを無視した科学主義など、われわれは主張していないのだが(これもため息)。。。

とにかくものを単純にしか考えられない歴史好きが多くて、結果はわが論敵の物理の先生とか、人文系無用論を唱える人々を利するだけなのだが。。。

もうひとつ、この期におよんで「用語を制限すると考えさせる材料がなくなる」とか言ってる学者があちこちにいるのがなんとも言えない。そもそも用語一般を制限しろとは一言も言っていないし、そういう先生にはぜひ教科書本文や入試の用語無制限で高校歴史教育を考えさせるものにするする魔法を考え出して、われわれを救ってほしいものだ。

「龍馬が教科書から消えるなんて」?

朝日の投書欄に大学生が「龍馬が教科書から消えるなんて」。実に型どおりの反応。教科書とは何でどう作られているか、どういう改革が目指されているか、高校歴史教育の目的は何かなど、一から説明する必要がありそうだ。

ここでいちいち反論するのは大人げないが、一つだけ問題にしなければならないのは、この投書は冒頭で高大連携研が「教科書の本文に載せ入試で知識を問う用語を半減すべきだとしている」と正しい理解をしておきながら、そのあとの行論では龍馬や五日市憲法が教科書から完全に姿を消すという前提で議論をしていることだ。この学生さんは、高校の歴史教科書は本文だけから成っているとは理解していないと思うのだが。マスコミも同じだが、こういうところの非論理性は、日本の教育の基礎的欠陥だと言いたくなる。

坂本龍馬を高校歴史教科書に載せる意味は?

皆さんお久しぶりです。今週火曜に高校歴史用語の精選提案が朝日新聞に載ったため、水曜日には5件ほどテレビ局の取材を受けるという、わが生涯で空前絶後のできごとがあり、昨日の夕方はちょっと疲れてダウン寸前になりました。

この提案や、歴史用語精選の方針・基準に関するアンケートは高大連携歴史教育研究会のHPに出ていますので、まだの方はぜひご覧ください。http://www.kodairen.u-ryukyu.ac.jp/new/new_91.html
それ以来FBとツイッターに、うまく言えなかったこと、理解されていないことなどを細切れで書いてきましたが、長く書けるブログの性質を活かして、ここである種のまとめをしておきたいと思います。

まず前提:
1)激動の現代世界・現代社会の中で、歴史を学び歴史的に考える必要性は高まっていると、われわれは信じる。
2)ところが現状の高校歴史教育(「受験用」の世界史B・日本史B)は、暗記事項が多すぎてきちんと教科書を勉強していると正規の時間内には半分ぐらいしか進まない(しかも内容が古い)、結果は大学入試で歴史を選択する生徒を減らし、逆に歴史嫌いを増やしている。
  *ベテラン教員が言うには、1時間(50分)できちんと説明しながら教えられる用語は15個が限度。世界史B・日本史Bは建前上140時間で教える科目だから、15×140=2100語。しかし実際は学校行事などで時間が減るから2000個がいいところ。しかし「受験用」とされる主要教科書には世界史も日本史も3千数百の用語が載る。しかも入試は「過半数の教科書に出ている知識は出題してよい」という慣習(不文律)があるので、入試で高得点を取ろうとする生徒は4000以上の用語を覚えねばならない。それをどうやって実現しているかはここでは詳しく書かないが、とにかく入試でその科目を選択する予定のない生徒は、たとえば必修科目の世界史でも、教科書の半分ぐらいしか習えず、入試で選択しないということでモチベーションも働かないから、卒業時にはほとんど何も覚えていない状態に容易に陥る。この状態を改善するには、とりあえず時間内で終われるように、必須事項は半分に減らさねばなるまい。3年次の学校設定科目などで余分の時間が取れる学校では、その時間は全国一律暗記でない発展事項の学習にあてるべきだろう。
3)文科省は(賛否はあるにせよ)初等・中等・高等教育や教科書・入試などの全体を暗記から「生きる力」を養うものに変えようとしている。地理歴史科もその例外ではない。たとえば歴史の教科書は「暗記すべき用語をなるべく沢山載せたもの」から「豊富な資料、図表や問いを掲載し生徒が自分たちで学ぶ道具」に変える、入試も「過半数の教科書に載っている知識を問う」だけのものから、「未知の資料や問題を高校までに習った基礎知識や考え方を利用して解けるかどうかを問う」ものに変えていくことが求められている。われわれの用語提案も、高大連携歴史教育研究会での入試改革など他の側面の検討と並行しておこなわれた作業にもとづく。

マスコミや歴史好きの国民の多くがわかっていない(誤解している、気づいていない)基礎知識。
1)高校歴史教科書の「載せるべき用語のリスト」は存在しない(小学校社会科では42人の人物について教えろと指定されているが)。歴史理解には歴史観がからむので、だれかが強制力のある用語リストを作ったらそれは「思想統制」に当たるからである。われわれのリストもあくまで民間団体が自主的に作ったもので、強制力はまったくない。
  *公的なリストが存在しない状態で高校教員、入試出題者などに重宝されてきたのが、各用語がいくつの教科書に載っているかの数字(頻度数)を載せたY社の用語集である。
2)小中高校でそれぞれ歴史を教えるが、文科省は違った目的を定めている。小学校は日本史上の重要人物を学ぶ。中学校は日本通史(プラスそれに関係のある世界の動き)を学ぶ。高校では各時代の歴史の流れとか政治・経済・社会のしくみなどを学ばねばならない。つまり高校歴史教育は「偉人伝」「英雄・豪傑物語」ではない。上述のように今般の教育改革では、特に情操教育や「教養」より現代的課題を考えることを重んじている。
3)その仕組みの中で、今回報道で特に話題になった坂本龍馬は、小中学校で必ず学んでいる。小学校の漢字や中学校の計算問題を、高校で単純に繰り返して必須事項にするだろうか? わかっているものとして先へ進む、別のよりハイレベルな文脈で扱うなど、いろいろなやり方があるはずだ。
4)これをここで書くと変に思う人がいるだろうが、しかしわかっていない人がすごく多いのは、歴史教科書で扱う事項は時の経過とともにどんどん増えるということ。私の高校時代と比べて現代史の部分は45年分増えている。そうしたら従来教えていた部分を削らないと、教科書や暗記事項は自動的に増えてしまう。

以上を踏まえて作ったわれわれの用語リストの特徴:
1)これは「教科書本文に書く(→全員覚えろ、となる)、入試で知識として問うなどの事項を減らすために作ったリストであり、上記のように今後充実を要求される教科書の資料や図版・コラム、入試の資料問題などにこれ以外の用語を含めても、なんら問題はない。教科書ごと、地域ごと、教室ごとにそこはむしろ多様化させるべきである。全国一律に教える事項が多すぎて、多様な授業を邪魔している現状では、一律に教えて強制的に覚えさせる事項は大幅に減らさねばならない。
2)そうなると、物語、偉人伝などの文脈で強調されてきたが実際に歴史を動かしたかどうか疑問な人物や事件は、削る対象になる。参考資料や考察対象としてそれらを取り上げるのは差し支えないが、それが実際に歴史を動かした人や事件、大きな歴史の変動などと比べて優先されるのは(時間が足りない中では)完全に間違っている。
3)これは19世紀でも20世紀でもなく21世紀に歴史を学ぶためのリストである。それに必要な用語(従来無視されてきた「時代」「史料」など基礎概念・歴史のキーワードや、「難民問題」「気候変動」など現代用語の基礎知識的な用語を補わねばならない。そのために、かつて必須の教養だった用語(人名・事件名や芸術作品名)も大なたを振るわざるを得ない。それらを維持する主張は、ノスタルジアとして理解はできるが、社会的にはある種の「既得権益にしがみつく」行為を見なさざるを得ない。

最後に今後:
1)来年2月まで、歴史用語精選の方針・基準のアンケートと用語リストそのものへの意見を受け付け、年度末に用語リストの確定案を作成する(同じく年度末には高校の学習指導要領が出来ているはず)。
2)その後、まずは私大入試や国公立二次試験、2020年度に始まる大学入試センターの新型入試などでこのリストを参考にしてくれるよう働きかける。
3)同時に、2022年度から実施される高校新科目「歴史総合」「世界史探究」「日本史探究」の教科書編集の参考になるよう、用語リストの振り分け・組み替えを行う。

坂本龍馬がなぜない、ガリレオ・ガリレイはなぜ切られた、と騒ぎ立てるのは、ここまでの前提を理解したうえでやっていただきたい。そうすれば、「復活折衝」の余地も生じてくるだろう。




プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR